【ブリスベン=飛田臨太郎】麻生太郎副総理・財務相と中国の楼継偉財政相が15日、オーストラリアのブリスベンで会談した。日中の財務相会談を開催するのは2012年4月以来、2年7カ月ぶり。日中財務対話の再開に向けて調整を進めることで合意した。金融協力についても、合同作業部会の設置を検討する。日中首脳会談の実現を機に、経済面でも前向きな動きが出てきた。
日中財務対話は、財務相のほか、財務省の事務次官や局長も参加し、世界経済の情勢や両国の財政政策について話し合う会合で、12年4月に東京で開催して以来、開かれていない。両財務相は15日の会談で、次回は北京で開く方向で調整することで合意した。
日中の金融協力は11年12月に合意したが、関係悪化で停滞。日本が中国国債を購入する計画は実現していない。今回の会談を機に、円と人民元の直接取引の促進なども含め、金融協力が前進する可能性が出てきた。
麻生財務相は15日、ルー米財務長官とも会談した。ルー長官は来年10月の消費税率10%への引き上げを念頭に置いて「デフレ脱却のためには再増税の影響を極力抑えるべきだ」と指摘した。税率の引き上げによる消費の反動減に対応する政策の必要性を示した。
政府は来年10月の税率の引き上げを見送る方向だが、麻生財務相は予定通りに引き上げるべきだとの立場を取る。15日には記者団に対して「(考えは)ころころ変わらない」と述べた。
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