福島原発指定廃棄物:「宮城の年度内の処分場選定は困難」

毎日新聞 2014年11月14日 20時09分

 ◇環境省が見通し、他の4県も

 東京電力福島第1原発事故で生じた「指定廃棄物」の最終処分場建設問題で、環境省は14日、来年3月までに宮城県内の候補地を選定するのは困難との見通しを明らかにした。積雪のため、ボーリング調査の完了が春以降になるため。従来は、積雪前の年内にボーリング調査を終わらせる予定だった。最終処分場建設を予定している他の4県についても年度内の選定は困難な状況となっている。

 宮城県では3市町(栗原市、加美町(かみまち)、大和町(たいわちょう))が候補地となっている。しかし、加美町では14日に約10センチの積雪があり、ボーリング調査は技術的に難しくなった。

 環境省の担当者は「今着手しても、中断しなければならない」と説明。3市町同時に調査に入る方針のため、3市町の調査は越年することになった。例年、5〜6月まで残雪があり、調査完了は来夏になる可能性もあるという。

 環境省は今年1月、宮城県内で3カ所の候補地を公表。積雪前にボーリング調査を終わらせ、できるだけ早期に1カ所に絞り込む予定だった。しかし、加美町では住民の座り込みなどの反対が起き、調査に着手できない状態となっている。

 環境省は宮城、群馬、栃木、茨城、千葉の5県で最終処分場の建設を計画。候補地選定作業は宮城県が最も進んでいる。【渡辺諒】

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