特許データを元にした革新的な企業100社。最多ランキングとなった日本の課題
トムソン・ロイターは2014年11月6日、特許データをもとにした、世界でもっとも革新的な企業100社を発表した。国別では日本が39社と最も多く、トップとなった。
このランキングは同社が2011年から行っているもので今年で4回目となる。特許データベースを使用し、基本的に特許の取得や活用という基準でランキングを行っている。評価基準となるのは、「特許数」、「成功率」、「特許ポートフォリオの世界的な広がり」、「引用における特許の影響力」の4点。
この中で日本企業は39社ともっとも多くランキング入りしている。具体的にはトヨタやホンダといった自動車メーカーをはじめ、パナソニック、シャープなど電機各社、富士フイルム、旭硝子など、いわゆる著名な製造業が並んでいる。
ランキング入りする日本メーカーの数は年々増加している。特に2013年から2014年にかけては大幅に数が増えており、11社も増えた。米国は逆に数を減らしており、2014年は35社と2011年の40社から5社少なくなってる。
全体としてみれば、日本企業と米国企業は圧倒的であり、日本企業と米国企業で、100社のうち実に74社を占めている。3位はフランス、4位はスイスだが、それぞれ7社と5社にとどまった。
ただランキング入りした企業の分布はかなり異なっている。米国は半導体分野が断トツで12社のランクインとなっている。一方欧州は科学研究が4社とまったく様子が異なる。一方、日本はコンピュータのハードが9社という状況である。
日本企業はこのところ特許戦略を積極的に展開しているということになるが、日本企業の業績は一部の高収益企業を除いてあまりいい状況とはいえない。特許の取得が必ずしも企業全体の業績向上には寄与していないようである。また、欧州のように、特許戦略そのものが異なっている地域もある。
特許を企業の業績にうまく結びつけるためには、もう少し戦略的な特許経営戦略が必要と考えられる。また、より付加価値の高い分野での特許を増やしていくという地道な努力も必要となるだろう。