消費税率の引き上げの判断材料として注目を集めた、7~9月のGDPが17日に発表されます。今回の予測は?GDPから日本経済の何が見えるのか? 注目点を、記者の解説とあわせ、日銀の元理事で富士通総研エグゼクティブ・フェローの早川英男さんに聞きました。注目したのは、「個人消費」や「外需」などが、GDPにどれだけ影響を与えたかを示す
「寄与度」
です。
富士通総研 エグゼクティブ・フェロー
早川英男さん
さわって確かめてください
GDP実質成長率は?
個人消費
が「マイナス」でなかったら
在庫
が「プラス」でなかったら
外需
が「プラス」でなかったら
公共投資
の影響は?
今回の予測は?
7~9月のGDPの民間予測は年率で+2.47%となっています(日本経済研究センター)。4~6月のGDPが、駆け込み需要の反動で落ち込んだため、前期比で「プラスになるのは当然」とみています。注目点を、「個人消費」「在庫」「外需」「公共投資」の「寄与度(各項目がGDPにどれだけ影響を与えたか)」でみてみました。クリックしてみてください。
個人消費
は駆け込み反動の表れ
4~6月のGDPは、「個人消費」の影響がなければ、プラスになっていました。 4~6月に駆け込み需要の反動で落ち込んだ分、7~9月の「個人消費」は前期比でプラスになるとみられます。
ただ、物価の上昇や夏場に雨の日が多かったことから、消費の戻りは鈍そうです。
在庫
が救世主
4~6月のGDPは、「在庫」がなければ、もっと下がっていました。
「在庫」は売れ残りとは言え、作った分はGDPにカウントされます
。 企業が消費増税後の落ち込みを楽観的に見ていたため、「在庫」が積み上がりました。 7~9月に、この「在庫」が減ると、GDPにはマイナスに働きます。
外需
(輸出ー輸入)はなぜ伸びた?
4~6月のGDPは、「外需」がなければ、もっと下がっていました。 ただし「輸出」が伸びたからではありません。
駆け込み需要の反動で「輸入」が大幅に減ったため
、「輸出」が伸び悩んだにもかかわらず、差し引きで「外需」が増えたのです。
公共投資
が主役になるのか
4~6月のGDPに、影響を与えなかった「公共投資」。 7~9月では、GDPを押し上げる可能性があり、影の主役になるかもしれません。 安倍政権が、
インフラ整備などの公共投資を増やしているからです
。 公共工事の請負金額は4~6月に増えており、7~9月のGDPへの影響が注目です。
特集「注目のGDP予測は?」
11月13日 19時05分
GDP 民間予測は2%台に縮小
11月14日 21時51分