「雑草を潰した汁の採集にあけくれる幼少期を経て、料理が趣味になりました」 という20代女子が探る肉食の宇宙。同じく肉食の飼猫ネコ山と共にお送りいたします。   ( 第1回から読む )

台湾のやたらと美味しいどんぶり、鶏肉飯で夏バテを乗り切ろう!

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最近の我が家はなぜか毎日屋外よりも気温が高く、日なたにある寝室は気温が40度に達することもしばしば…。夏バテと地球環境への不安、そして寝ている間に熱中症で死ぬのではないかという恐怖感から食欲は落ち続ける一方です。当然、キッチンには近寄るのも嫌になり「昼食:豆乳、夕食:うどん、おやつ:氷いちごバー」という最悪の食生活に転落……。

しかし私が死んだらネコ山は……と思うとウッカリ死ぬわけにもいかないし、何かいい食べ物がないか考えた結果、簡単で美味しくて飽きがこない味ということで、鶏肉飯(ジーローファン)という台湾の丼ご飯が定着しました。

この料理は、通っている歯医者近くの台湾料理屋さんで出しているメニューで、初めて見たときは「ご飯にゆで鶏を乗せただけで850円とは…!?」と思ったのですが、食べてみると限りなくしっとりした鶏肉と炊きたてご飯に、トロっとしてるのに油っこくない独特な味のタレがなめらかに絡まっていてやたらと美味しい……! 鶏肉飯はインターネットによると台湾では定番のファーストフードらしいのだけれど、日本ではあまり出している店はないようだし、もっと手軽に食べたいと思い、家で作れる方法を考えてみました。

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画像:暑さで頭がおかしくなり、包丁を振り下ろしておきながら手元を全く見ていない無軌道な女。もはや安全ちゃんを名乗る資格はないのでは? 実際、この数分後、指の第二関節に向けて包丁を振り下ろすという惨劇も生じた。

鶏肉飯(ジーローファン)の作り方

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材料(2人分):

●鶏モモ肉 1枚
●エシャロット 5個
●生姜 薄切り2~3枚
●ご飯 軽く2膳
   ○醤油 大2
   ○酢 大2
   ○酒 大4
   ○砂糖 小1
   ○サラダ油 大1

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まず、肉に塩をもみこみ、15分ほどおいてから水で洗い流します。この作業で肉の鶏くささがだいぶ改善するので、シンプルな料理を作るときは是非やってみてください! 

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皮を剥がします。鶏皮剥がしは潔癖症の少女だったら全力で拒絶しそうな生々しさが漂う作業ですが、私は潔癖症でも少女でもないので、眉一つ動かさず皮を剥がすことが可能です。

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続いて、肉と皮の間についている脂身も包丁で取り除いていきます。鶏の脂は臭みもあるし、なによりブヨブヨしていておいしくないので、特に茹でたり蒸したりする料理のときは、あらかじめ取り除くと仕上がりが違ってきます。このとき、皮も小さく切り分けておきます。

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下処理が終わった鶏肉と、千切りにしたショウガをビニール袋に入れます。たっぷり水が入った鍋に入れます。こうしてお湯に肉が直接触れないようにすることで肉汁の過度な流出が防げます。

08m火加減は鍋底にかるく炎の先端があたるくらい。蓋をしながら暖めていきます。肉が浮いた状態になっていると思うので、途中で一度ひっくり返します。約10分後、泡が鍋肌いっぱいにプツプツとついている状態になったところで火を止め、フタをしてそのままじっくり熱を通していきます。こうして、ゆっくりと低温で火を通すと独特なしっとりとした柔らかい質感になります。



09m鶏に熱を通している間に、たれをつくります。まず、エシャロットの葉を落とし、白い部分をみじん切りにします。みじん切りの方法ですが、まず、縦方向に切ってから…



10m一気に横方向に切っていく方法でみじん切りにすると早くてきれいに切れます。茎の白い部分も節約精神を発揮して、全部みじん切りにしましょう!



11mエシャロットのみじん切りが終わったら、次に鶏皮から鶏油作るため、サラダ油大さじ1をフライパンに入れます。このとき使う油は新品じゃなくてもぜんぜん大丈夫です!私はいつも揚げ物のリサイクル油をつかっています。



12m鶏皮と油を入れ、火はフライパンの底にしっかり火が当たっている程度の中弱火で、ときどきひっくり返しながら焦げないように炒めていきます。



13m炒めているうちに、鶏皮からどんどん油が出てきます。



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写真のような感じで、キツネ色に焼きあがったら、最後にフライパンを傾けて、火を強めの中火にして、10数秒程度高温で揚げます。こうすると、鶏皮の油が最後までしっかり抜けて、パリパリになります! やりすぎると焦げてしまうので、すばやく火を止めて、鶏皮をフライパンから取り出します。タレに使うのは、フライパンに残った鶏油のほうなので、鶏皮は軽く塩を振ってそのまま食べちゃいます。パリパリでおいしいです!

15m作った鶏油に、みじん切りにしたエシャロットを入れ、フチがチリチリと揚がる程度に軽く炒めます。



16mお酒大さじ4と



17m醤油大さじ2に



18mお酢大さじも加え…



19m最後に砂糖小さじ1を入れます。



20m弱火にして煮詰めていきます。最初は尖った酸っぱさだったタレが、だんだんまろやかな味になっていきます。どろりとなったところでいったん火を止めます。



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このあたりで、いったんフタを空けて肉に火が通っているかチェックします。大さじ1~2杯程度の肉汁が出ていて、全体が暖かくなっていれば、しっかり中まで火が通っているので大丈夫です。今回は、鍋の火を止めてからだいたい20分程度でこんな感じになりました! できあがりまで室内の温度によって差があるので、クーラーがばっちり効いている天国のような環境だと、もう少し時間がかかるかもしれません。

22mここで、ビニールに残った肉汁をタレに入れます。この肉汁が味を決めるポイントなので忘れないように気をつけて…! 私はときどき忘れます! 肉汁を入れたら、タレを再び火にかけて水分を飛ばします。どろっとした状態になったら味見をして、もし酸味が完全に飛んでいるようだったら、すこーし酢をたらして甘酸っぱい味にしたらタレ完成です!



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肉を少し太めのバンバンジーのような感じで細長く切ります。このとき、包丁を上下にキコキコしながら優しく切ると、断面がぐちゃっとしません。このとき盛り付け用のパクチーも一緒に切ります。

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アツアツのご飯を軽く一膳よそって、肉半分を上に乗せ、タレ大さじ4杯程度をまわしかけ、最後にパクチーを散らすと鶏肉飯のできあがりです!

鶏肉にタレをかけただけのシンプルな料理ですが、とにかくこのタレが絶妙な味…!鶏皮のコラーゲンでトロトロのタレがご飯に絡まって、コクがありつつさっぱりした味でご飯がすっごく進みます! 肉汁も鶏皮も無駄なくおいしさを使い切っているし、このタレを考えた人は本当に立派な人だ……。台湾に足を向けて眠れません。

今回は二人分で作りましたが、冷凍もできるし冷蔵庫でも数日は持つので、たくさん作っておくと楽です。飽きが来ない味なので、常備しておくと疲れて何も料理をする気がしない日でも、ご飯と鶏をレンジで暖めなおすだけであっという間においしいご飯が……! 夏バテによる餓死を免れることができます。

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エブリタイム毛皮着用のくせに、夏バテとは無縁な様子のネコ山。異常に暑さに強いのか、暑いのを我慢してしまう性格なのか……。

まとめ

26m●鶏肉は事前に軽く塩をし、15分程度おいてから水で洗い流すと臭みが抜ける
●肉汁を逃さず活用するため、ビニール袋に入れてから茹でる
●肉は弱火で少しずつ加熱し、鍋底に泡がビッシリついた辺りで火を止めフタをして放置
●鍋がすぐ冷めないよう、水はたっぷりめで茹でる
●肉を茹でている隙にたれを作ろう!
●肉は、ビニールの中に、肉汁が大さじ2程度たまっている状態で引き上げる

写真・文 : 安全ちゃん

        
安全ちゃん
安全ちゃん
「革命的オリーブ少女主義者同盟演説」というblogエントリでなにかを先鋭化させまくった謎の20代女子である。ギャンブラーの父、オリーブ少女の母に育てられ、それゆえ雑草を採っては日々の糧にするというサバイバル幼少期の経験を持って、いま全国のヒマに料理の鉄槌(というか鍋)を下します。

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