■まとめ
■「怒る」と「不機嫌」の違い
「怒る」ことと「不機嫌になる」ことは、似て非なるものです。「怒る」という行為には、自分の主張を相手にわかるように伝える義務や、伝えたことに対する責任、切り出すことのストレスが伴います。
一方の「不機嫌になる」ことは、そういったものを一切背負わないで、相手に都合良く理解してもらったり、変わってもらったりすることを強制する態度です。
その意味でも「不機嫌になる」ことは、赤ちゃんが泣いて訴えることに似ているのですが、しかし、赤ちゃんと母親の関係と、大人の男性と女性の関係とでは、絶対的に異なることがひとつあります。
それはほとんどの場合、女性よりも男性の方が「腕力が強い」ということです。
■「腕力差」という非対称性
直接的な暴力ではないにせよ、最終的に腕力で勝っている側の人が不機嫌になれば、相手は恐怖や不安を感じる可能性が極めて高い。これは多くの女性から聞く話で、男性に不機嫌になられた時に女性が嫌な気持ちになるのは、接しづらさや空気の悪さだけでなく、男性があまり感じることのない恐怖や不安といった感情も大きいと思われます。
今回の話に対して、「女だってすぐ不機嫌になるだろ」という声も聞こえてきそうですが、この非対称性を考えれば、両者は別の問題として扱うべきでしょう。
そして、気に入らないことがあるとすぐ「不機嫌になる男性」は、どこかでこの非対称性を自覚して、利用しているのです(ちなみにこれは、すぐに「不機嫌になる上司」にも同じことが言えます。この場合は、「腕力」ではなく「立場」が非対称になります。すぐ不機嫌になる「男性の上司」は、両方の要素があるので本当に厄介です)。
そんな男性に対して恐怖や悲しさを伝えることは、「この状況をどうするかはあなたが考えて」と突き放すことであり、「相手を尊重する大人になって下さい」という成長を要求することでもあります。
もちろん、不機嫌な相手に悩むのは、基本的にその人のことが大事だからだと思います。相手と良い関係を築くためには、ときに緊張感も必要だということで、ひとつキリッと決めてみて下さい!