在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の土地建物の競売で、22億1千万円で落札した不動産業マルナカホールディングス(高松市)が代金の入金手続きをしたことが14日、関係者への取材で分かった。東京地裁の確認手続きが終われば総連本部の所有権はマルナカに移る。
マルナカへの売却許可が4日付の最高裁決定で確定し、地裁が納付期限を12月8日に指定していた。マルナカ側は「取得は投資目的だ」として総連に明け渡しを求める方針を表明しており、退去に応じない場合はマルナカが「引渡命令」を申し立てることができる。今後、裁判所の強制執行が実施される可能性もある。
総連本部は、日本と国交がない北朝鮮にとって事実上の大使館といえる重要拠点。所有権移転で総連は立ち退きを迫られる見込みで、北朝鮮側の反発も予想される。
総連本部の競売は、昨年3月の最初の入札で最福寺(鹿児島市)が45億1900万円で落札したが代金を支払えず購入を断念。再入札では50億1千万円で落札したモンゴル企業が書類不備で失格となり、地裁が今年3月、次点のマルナカを落札者とした。総連は不服を申し立てたが東京高裁が退け、最高裁も抗告を棄却する決定をした。〔共同〕
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