2014年、注目のMVを追え!「UK Music Video Awards 2014」受賞作品からwhite-screen.jpオススメのMVをピックアップ!!

2014.11.14 Fri

 

イギリス、そして世界の優れたミュージックビデオ(MV)を表彰する「UK Music Video Awards (UK MVA) 2014」が、ロンドン、サウスバンク・センターのクイーン・エリザベス・ホールにて、2014年11月10日に開催。セレモニーでは、イギリス人コメディアン/俳優のAdam Buxton(アダム・バクストン)がホストを務め、各賞が発表された。

white-screen.jpでは、受賞作品の中からオススメMVを一挙紹介! “音楽×映像”というエンターテイメントの枠を超えて、現代社会との繋がりをシネマティックな深みのある映像で切り取った、コンセプチャルな作品が増えてきた感のある2014年。今年のMVをおさらいしつつ、来たる2015年のトレンドを予想してみよう!

■ Video of The YearはDaniels監督のDJ Snake & Lil Jon「Turn Down for What」、Hiro MuraiがBest Directorに!
DJ Snake & Lil Jon「Turn Down for What」
dir: Daniels|prod co: Prettybird|pr: Judy Craig|co-pr: Jonathan Wang|ex pr: Candice Ouaknine|DoP: Larkin Seiple|prod designer: Jason Kisvarday|sty: Corban Poorboy|ed: Daniels, Paul Rogers|VFX: Daniels, Zak Stoltz|starring: Sunita Mani, Aixa Maldonano, Paul Hatter, Allie Lemelle, Daniel Kwan
栄えあるVideo of The Yearに輝いたのは、アメリカのディレクターデュオDanielsが監督した、DJ Snake(DJスネーク)& Lil Jon(リル・ジョン)の「Turn Down for What」。屋上からスタートすると、性器のエネルギーによって下の階へと次々と床を突き破ってダンス&リビドーの連鎖を加速させてゆく! 極上のダンスチューンの魅力を120%増大させる、破壊的なまでにぶっ飛んだ過激MVだ。Danielsは、2011年にManchester Orchestra(マンチェスター・オーケストラ)「Simple Math」でもVideo of The Yearに輝いており、改めてその実力を示す結果となった。最新作のシュールなコメディショートフィルム「Interesting Ball」も要チェックだ!

そして、今年最も活躍したディレクターに贈られるBest Directorは、Best Rock/Indie Video(International)に選ばれたQueens Of The Stone Age(クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ)「Smooth Sailing」など、この1年で7本ものMVを手掛け、八面六臂の活躍をみせているHiro Murai(ヒロ・ムライ)が受賞している!

■ UK MVA 2014から、white-screen.jpオススメをピックアップ!
Paolo Nutini「Iron Sky」
dir: Daniel Wolfe|prod co: Somesuch|pr: Lee Groombridge
それでは、受賞作品の中からオススメ作品をピックアップしてご紹介していこう。まずは、Best Pop Video(UK)を受賞した、パオロ・ヌティーニ(パオロ・ヌティーニ)「Iron Sky」。支配からの解放と自由へのメッセージを、20代とは思えない渋く深みのある歌声でソウルフルに歌い上げる楽曲に乗せて、ドラッグ中毒者の苦痛と苦悩のドキュメントが描かれる。彼らがドラッグから解放され、精神的、肉体的自由を得る日が来るのか否か、飾りのない人間の姿が映し出される。

アイルランド人シネマトグラファーRobbie Ryan(ロビー・ライアン)が手掛けた叙情的な映像は、Best Cinematography in a VideoもW受賞している。ちなみに、楽曲のインタールードにサンプリングされているのは、Charles Chaplin(チャールズ・チャップリン)の名作「独裁者」(1940年)のクライマックスで、チャップリンが行う演説シーンからの音声。抑圧や支配からの解放を訴えるエモーショナルな言葉が、深い感動を誘う。

Sia「Chandelier」
dir: Daniel Askill, Sia|prod co: Radical Media|pr: Lee Groombridge|dop: Sebastian Wintero|cho: Ryan Heffington|cast: Maddie Ziegler
※ディレクターズ・カットVer.はこちら
続いては、Best Pop Video(International)を受賞した、オーストラリア人女性シンガーソングライターSia(シーア)の「Chandelier」。シーアとそっくりの髪型をした少女が、まるで全裸のように見える肌色のレオタードを身につけて、荒れ果てたアパートの中で舞い踊る。Daniel Askill(ダニエル・アスキル)とシーアが共同でディレクションしており、彼女の踊りを淡々と追い掛けるカメラワークも印象的だ。

バレエのようなコンテンポラリーダンスのような、優雅で不思議な踊りを表情豊かに披露するのは、アメリカのダンス・リアリティショー「Dance Moms」に3年前から出演している11歳の天才少女Maddie Ziegler(マディ・ジーグラー)。コレオグラファーには、ロサンゼルスを拠点に活動するRyan Heffington(ライアン・ハフィントン)が起用されている。The GurdianではワンカットVer.が公開されているので、マディちゃんの脅威のダンススキルを堪能したい方は必見!

The Correspondents「Fear & Delight」
dir: Naren Wilks
※メイキング映像はこちら
こちらは、Best Pop Video(Budget=低予算)に輝いた、The Correspondents(ザ・コレスポンデンツ)のMV「Fear & Delight」。ザ・コレスポンデンツのボーカルIan Bruce(イアン・ブルース)が、狭い円形の部屋の中で歌い踊る様子が、8台のカメラによるタイムスライスで撮られている。一風変わったカレイドスコープのようであり、遠近感を麻痺させる、新しい映像体験を与えてくれる作品だ。

監督を務めたのは、イギリス人映像作家Naren Wilks(ナレン・ウィルクス)。本作は、彼が4年前に発表した、4台のカメラを使った実験映像作品「Collide-o-scope」のアイデアを発展させたものだ。

Friend Within「The Renegade」
dir: Craig Moore|prod co: Familia|dop: Chris Vermaak|cho: Julie Robert
Best Dance Video(Budget)に選ばれたのは、イギリス、リヴァプールのハウスDJ/プロデューサーFriend Within(フレンド・ウィズイン)の「The Renegade」。ロンドン在住のディレクターCraig Moore(クレイグ・ムーア)が監督を務め、Julie Robert(ジュリー・ロバート)が振付を担当した。

南アフリカ、ヨハネスブルグの地区ソウェトまで赴いて撮られており、アフリカならではの風土や空気を感じさせながらもファッショナブルに仕上がった映像だ。また、本作のメインとなるダンスのパートでは、現地のダンスチームPantsula Crew、Shakers & Movers、021 B Boysをフィーチャーしている。

Jon Hopkins「Collider」
dir: Tom Haines|prod co: Rogue Films|dop: Steve Annis|ed co: Final Cut|ed: Dan Sherwen|cast: Amanda Wass
最後にご紹介するのは、Best Editing in a Videoを受賞した、DJ / 音楽プロデューサーJon Hopkins(ジョン・ホプキンス)の「Collider」。赤い照明で満ちたアングラなクラブ、そして人気のない廃墟、同ポジで撮られた主人公の女性の異なる時系列の行動を、パラレルに描き出していく。何かにつき動かされているような激しいダンスは、彼女の複雑な内面を暗喩した演出。最後に彼女の手が赤く染まったのは、一体何故なのか・・・。

パラレルな世界を見事な編集で一体化させ、Best Editingに輝いたのは、ロンドンのポストプロダクションFinal Cut所属のエディターDan Sherwen(ダン・シャーウェン)。監督は、ロンドンの映像プロダクションRogue Filmsに所属するTom Haines(トム・ヘインズ)が務めている。主人公役には、弱冠21歳のイギリス人女優Amanda Wass(アマンダ・ウォス)が抜擢されており、存在感抜群の演技で本作を最後まで牽引している。

今回ご紹介した以外の受賞作品で、これまでにwhite-screen.jpで紹介してきたMVは、下記の一覧からご覧下さい!

■ UK Music Video Awards 2014 Winners(white-screen.jp Articles)
・Best Dance Video(UK):Disclosure「Grab Her」 dir: Emile Sornin
・Best Rock/Indie Video(UK):Throne「Tharsis Sleeps」 dir: Nicos Livesey, Tom Bunker
・Best Alternative Video(UK): Atoms For Peace「Before Your Very Eyes」 dir: Andrew Thomas Huang
・Best Dance Video(International):Disclosure「Grab Her」 dir: Emile Sornin
・Best Rock/Indie Video(International):Queens of the Stone Age「Smooth Sailing」 dir: Hiro Murai
・Best Urban Video(International):J Cole feat. Amber Coffman「She Knows」 dir: Sam Pilling
・Best Art Direction & Design in a Video:OK Go「The Writing's On The Wall」 dir: Aaron Duffy, Damian Kulash, Jr. Bob Partington
・Best Visual Effects in a Video:Alt-J「Hunger Of The Pine」 dir: Nabil
・Best Interactive Video:Bob Dylan「Like A Rolling Stone」 dir: Vania Heymann
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