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Fukushima Update #59: Nuclear restarts: a one-way debate

Local authorities in southwestern Japan recently endorsed a plan to restart a nuclear plant. This report examines why only a fraction of local residents were consulted, and how the process turned out to be a one-sided affair.

Other news: Accident injures 3 workers at Fukushima Daiichi.

川内原発再稼働へ―“地元同意”の真実

先週、鹿児島県・川内原発の再稼働をめぐる動きが大きな節目を迎えた。 鹿児島県知事が再稼働への同意を正式に表明し、 再稼働に向けたハードルのひとつ、「地元の同意」手続きが完了したことになる。 しかし、この「地元の同意」をめぐっては様々な課題も浮き彫りになっている。


■傍聴者 「再稼働反対!再稼働反対!」

怒号が飛び交った鹿児島県議会の傍聴席。 11月7日、川内原発1・2号機の再稼働について、賛成多数で同意した。

■鹿児島県・伊藤祐一郎知事 「我が国の置かれている諸般の状況を勘案し、再稼働はやむを得ないと判断した」

川内原発は、再稼働に必要な手続きの一つ、原発の新しい規制基準を今年9月にクリアー。 その後、もう一つの「地元の同意を得る」作業が終わり、再稼働への環境が整った。

これに先だって、鹿児島県内では、先月、地元の同意に向けて住民説明会が6回開かれた。

原発が立地する薩摩川内市では、抽選で選ばれた1200人ほどの市民が参加。 原子力規制庁の職員らが新しい規制基準に適合するとした審査結果について説明した。 しかし…。

■参加した住民 「あまりにも(再稼働を)早く早くとする。なんか疑問を感じてしまいます」

「福島の事故が片付いていないのに、市民に対して国民に対して説得力があると思いますか?」

質問に立った10人のうち9人が審査に対する疑問や、避難計画についての批判、再稼働への反対を訴えた。

しかし、その直後、薩摩川内市の岩切市長は 「質問があったことによって川内原発の安全性についての理解が進んだ」とのコメントを発表した。

再稼働の前提となる地元の同意。 その内容とともに、地元がどこまでの範囲なのかについても、国が定めた明確なルールはない。

鹿児島県知事が「地元」の範囲としたのは、「県と薩摩川内市のみ」。

しかし、薩摩川内市の隣で、原発30キロ圏内に入るいちき串木野市は、これに反発。 再稼働に同意する権限を求め、意見書を県に提出したが、認められなかった。

その、いちき串木野市に住む坂口イクヨさん(65歳)。 坂口さんの自宅は原発から5.5キロしか離れていない。

少しでも情報を得ようと、住民説明会に応募していた。

■記者「写真・動画撮影禁止と書いてあります」

■坂口イクヨさん 「一方的な説明会だと思います」 「『こうだったよ』と、(撮影してみんなに)見せてあげたいと思うけれども。  行きたくても行けない人がいるわけですよ」

この日、坂口さんは住民説明会へ。 会場入り口には中に入れない反対派の人たちが。

■住民 「一人でも多くの住民を入れて説明するべきだろ!」

開会後、壇上に上り進行を阻止しようとする人も。 説明会では地元の範囲についても質問が飛んだ。

■参加者 「なんで5~20キロしかないいちき串木野市が地元でないのかなと」

■鹿児島県職員 「原発に関する安全協定等もございまして、県知事としては(地元は)薩摩川内市と県と  考えていると・・・」

■参加者 「串木野は全部地元だろ!」

結局、いちき串木野市の住民の声は聞き入れられず、再稼働を受け入れるとの「地元の同意」が決まった。

■坂口イクヨさん 「考えられないですね。即決ですよね」 「私たちの声 本当に届きませんもんね。思いも届かない」

いったん事故が起きれば大きな影響を被る原発周辺の住民たち。 今回の「地元の同意」は、そうした人々の思いを十分に反映していると言えるのだろうか?

川内原発の再稼働は年明け以降になるとみられ、 他の原発でも再稼働に向けた動きが本格化する見通しだ。

11/14/2014