[PR]

 来年10月に予定されている消費税の税率10%への再引き上げが1年半先送りされる方向になった。首相官邸は14日までに、関係省庁に消費税率引き上げを1年半延期し、2017年4月からとする方向で準備をするよう指示。安倍政権は先送りへ最終調整に入った。自民、公明両党とともに消費増税を主導した民主党も14日、増税先送りを容認した。これで増税を主張する主要政党はほぼなくなった。

 安倍晋三首相は麻生太郎財務相と協議し、17日に発表される7~9月期の国内総生産(GDP)1次速報なども見極めて最終判断する見通しだ。首相が年内に踏み切る意向の解散・総選挙では、先送りの是非ではなく、アベノミクスの評価が争点の一つになるとみられる。

 民主、自民、公明3党が12年に消費増税に合意した際は、増税をやめる景気の状況について「リーマン・ショック並みの経済危機」を想定していた。現在の景気状況で増税を先送りすることは3党合意時のそうした想定とは異なり、事実上3党合意は棚上げされた形となる。