おもに海外の格闘ゲームシーンについての話題。
AUTOMATON といってもご存じないかたが多いでしょう。かつて私は彼らのスカウトをうけ参画、米 FGC についての記事をいくつか寄稿したことがあります。PLAYISM を運営する AGM が母体にあるメディアです。
AUTOMATON のすべての記事は、編集の名目で改竄が行われており、その結果として嘘が生じる場合がありました。たとえばフルスケジュールの改造スティックについて、記事にはこんな文章が加筆されていました。
だが、たとえば実際にあがった「HORIのスティックが許されるなら、EvoはFull Scheduleのスティックも認めるべきだ」とする意見に対し冷静に・論理的に反駁し説き伏せるのはそれほど容易ではない。
私は、少なくとも本文にこんなことは書いていません。 1 ツイートにおさまる容易な反駁を、 FR のあった 3 月の時点でおこなっているのです。
一般的な方向キーとかわらない四つのボタンで操作指示を行うヒットボックスや、既存のボタンを再アサインしたにすぎないファイティングエッジと、ひとつのボタンに対しソフトウェアのコンフィグでも不可能な同時押しを割り当てたフルスケジュール式は、明確に区別すべきものであろう
— iPASTIST(グラグラ) (@iPASTIST) 2014, 3月 16
なぜこんなことが起こったか。それはすべての記事の「編集」を一手に担当している人物が、私の提出した下書きにあった以下の一節を、無断で本文に書きくわえ、膨らませたことによるものです。
「HORIのスティックが許されるなら、 Evo はフルスケジュールのスティックも認めるべきだ」という意見も。
あくまで印象論あるいは感情論としてそういう意見があったというだけで、反駁が困難であるなどとは全く言えません。
なんとなくお分かりでしょうが、改竄をおこなっている人物は、格ゲーについての知識はありません。こんな書きかたをすると「そう言うお前だって、知らないことだらけじゃないか」と突っ込まれるかもしれません。ですが彼は、学ぶ気がないのです。なぜ学ぶ気がないのかといえば、 FGC 、そして自分の知らないものへの敬意をまったく抱くことのできない人物であるからです。ですがそれも結構でしょう。しかしそんな人物が FGC の記事に加筆するのは大いに問題があると言えます。
彼にしてみれば、事実誤認さえなければこの文章は「名編集」だったのかもしれませんが、「HORI のスティック」という RAP も内包した極めて雑な主語を修正しないのは 0 点です。ファイティングエッジという名前がボキャブラリーになく、検索して調べる気もないのでしょう。
改竄はこれにとどまりません。いちばん許せなかったのがクリス G とロビン・ウィリアムズの記事。こんなことが書かれていました。
命は投げ捨てるものではない
公開された記事を見て私は絶句しました。ハンドルネームを使わない署名記事であり、記事の内容には責任を負っているつもりでした。しかしリミックスとウィリアムズ氏、ふたりの死を報じる記事で、こんな冗談が書き加えられ、それが私の執筆ということにされているのです。
すべては編集者の安田伸毅という人が、小銭稼ぎ、アクセス数稼ぎのためにおこなっていることです。 HORI の名前を出せばより広くリーチするだろう、『北斗の拳』のネタで死者を茶化せばウケがとれてアクセス数が増えるであろう。炎上上等、そんな思考による記述の修正、改竄、捏造が、 AUTOMATON のすべての記事に含まれています。
FGC への敬意も関心もない人へ売文(1 字 1 円とかですが)をおこない、結果として嘘を広め、死者を茶化す。私は自分のやっていることが嫌になり、覚悟を決め、まず明確に編集によって事実誤認がなされたフルスケジュール記事を選び、該当部分の削除を安田氏に願いました。こうしたことはたいてい Skype のミーティング用チャンネルでおこなわれます。
すると、思ってもみない反応が帰ってきました。レバーについてるマイクロ・スイッチが今も 4 つなのか? 8 つではないのかなどと言い出し、 4 つであるソースを出せなどと言うのです。 レバーを 8 方向に切りかえたときに、スイッチも 8 つになるのではないか、などとも……。あまりの無知、なによりその無知を恥と思わない態度にあきれた私は、「8 つであることの立証責任は、嫌疑をかけたそっちにあるだろう」と、本来言うべきことも言えませんでした。しかし都合よく、 4 つであることをあの人が保証していたのを覚えていたため、これをソースとして提出しました。
@DeAnthrax I don't know. But all I know is the standard Sanwa JLF is 4 microswitches as are all standard arcade levers.
— Mark Julio (マークマン) (@MarkMan23) 2014, 3月 16
これに対する安田氏の答えは「それは根拠になりません」というものでした。安田氏が高圧的に相手を否定するのはいつものことなのですが、なぜこんな人が FGC の話題を他人に書かせるのかまったく理解できません(まあお金のためなんでしょうが)。そしてこんな人物が初心者枠とはいえ『ウル 4 』の記事に登場することが AUTOMATON がいかに駄目なメディアかを物語っているというものです。それはさておき、私は煮えくり返るはらわたを必死に抑えながら説明を続けました。
「アトランタの FR を運営するシンブランカ、そして Evo の運営 Mr. ウィザードもマークマンの理論を採用してフルスケジュールのスティックを禁じました。また、シカゴの UFGT を運営し、カプコン格ゲー HD 版の開発にも寄与した Keits はフルスケジュールのスティックを認めましたが、彼も同様にマイクロ・スイッチが 4 つであることを前提にルール設定をおこなっています。そしてフロリダ、 CEO のアレックスもそれに賛同しました」
マイクロ・スイッチが 4 つであることは、大会主催者とスティックメーカー、そして格闘ゲーム開発メーカーの共通認識である。それを示したつもりなのですが、安田氏から返ってきたのは「人は自爆するものです」という答えだけ。この短いことばに、彼の世界観のすべてが現れています。そして Skype 参加者の身内に向かって「誰か知りませんか」と問いはじめました。 20 人ほどの参加者の誰も返事をしません。
私はこのとき憤りを越え、背すじが寒くなるのを感じました。これはもはや無知や無関心で片づく問題ではない。そして、この男だけじゃない。こいつら狂ってやがる。
(続きます)