こうしてみると、習主席も朴大統領も「国内基盤は意外ともろい」と思わざるを得ない。
APEC直前から、日本の小笠原・伊豆諸島周辺に、赤サンゴを密漁する中国漁船が200隻以上も押し寄せているが、あれも「習政権を揺さぶる、反体制派の策謀」という分析があるらしいな。真偽は不明だが、中国の恥を世界にさらし、習主席のメンツを潰したことは間違いないぜ。
韓国は、朴大統領に関するコラムをめぐり、ソウル中央地検が、産経新聞の前ソウル支局長を名誉毀損(きそん)で在宅起訴した。韓国が「言論の自由がない国家」だと世界に知らしめたが、朴大統領はこの国家的損失を放置したままだ。
習主席も朴大統領も、国民の「反日感情」に追い立てられて、身動きができなくなっているとしか思えない。俺がテキサスから見ていても「安倍首相の方が大人だ」「中国と韓国の方がおかしい」と思う。来年で戦後70年になる。国家として、指導者として余裕があれば、もっと未来志向の対応ができるはずだ。
親愛なるみなさんと日本と米国に神のご加護がありますように。中国と韓国の国民が歴史的事実を学び、真っ当な国家になりますように。
では、また会おう!
■トニー・マラーノ 評論家。1949年生まれ。テキサス州在住のイタリア系米国人。サラリーマンを退職後、動画サイト「ユーチューブ」などで連日、評論活動を行っている。世界のあらゆる“悪”と戦う「プロパガンダ・バスター」でもある。大変な親日家であり、日本でも圧倒的ファンを獲得している。著書に『テキサス親父の「怒れ! 罠にかかった日本人」』(青林堂)など。