【単刀直言】石原慎太郎氏「日本語として間違ってますから前文変えますと言えばいい」:イザ!

2014.7.9 12:50

【単刀直言】石原慎太郎氏「日本語として間違ってますから前文変えますと言えばいい」

 日本維新の会が分党することになった。考え方が違うんだから、自分の節を折ってまで数を増やしても、しようがない。橋下徹大阪市長が一緒になりたい結いの党の江田憲司代表は「集団的自衛権の行使はダメだ」「自主憲法制定なんて主張したら外国に何を思われるか分からない」と言うが、そんな手合いと一緒になる理由はないですよ。でも橋下君はその相手とくっつくという。分からないなあ。

 ◆亀裂の始まりは…

 振り返ってみると、維新の東京と大阪との二重執行体制は良くなかった。テレビで各党の政調会長が出た討論番組に、維新は国会議員の経験がない大阪の地方議員が出て、議員定数がどうこうと語っていた。もどかしいし、恥ずかしい。国民に対しても失敬だ。「みっともないから、やめてくれ」と言ったのだけれど、そこら辺が亀裂の始まりだったのかもしれない。

 国政の体験がないのは致命的なんですよ。国家観、歴史観が違う。維新が滑り出したときに、坂本龍馬の「船中八策」のような基本政策を持たなきゃダメだと言ったら、「10年後に原発フェードアウト(徐々に減らす)」とあって、驚いたね。「10年は拙速ではないか」と追及すると、「じゃあ30年後にします」と言う。そのためのロードマップも決めていなかったので、「難しいかもしれないぞ」と言ったが、結局「2030年代にフェードアウト」となった。

 でも橋下君は才能があるし、あれほど演説のうまい人はいない。国民を「なるほど、そうだ!」という気持ちにさせる話術を持っている政治家は、僕の知る限りでは、いませんね。強いて言えば田中角栄元首相だ。

 僕は今でも橋下君が国政に出るべきだと思っている。心配しているのは橋下君が政治家を辞めることだ。彼が辞めて一番ほくそ笑むのは江田君だ。なにより、辞めたら橋下君が育てた大阪の人間たちもかわいそうだよ。

 政治家というのは武士(もののふ)、侍だからね。吉田松陰にしろ、大塩平八郎にしろ、自分の信じていることを遂げるためには不幸、不義の道と分かっていても行動するわけだ。分党でこちらに残る人間が6、7人くらいになっても節を通そうと思ったが、有望な若い人を含め22人集まった。みんなが「自分の節を曲げたくない」という共通項を持っているから、とても頼もしいですよ。

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