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日本勢の躍進!なぜ、ミャンマーでは韓国企業よりも日本企業が選ばれるのか?

経営者online 11月12日(水)21時26分配信

■日揮、ハンタワディ国際空港建設事業の大型契約獲得
 10月29日、ミャンマー運輸省は29日、同国最大都市ヤンゴン郊外に計画されているハンタワディ国際空港建設事業で、総額15億USドル(約1,600億円)に上る大型契約の優先交渉権を日揮 <1963> を含む企業連合に与えたと発表。今年2月に、同空港の開発事業を受注していた韓国企業との交渉が決裂していた。

 このミャンマーの空港事業は2013年8に3空港の新築、拡張工事を巡って入札を行ったものだ。この際、三菱商事 <8058> 、JALUXの企業連合がマンダレー国際空港の改修・運営事業を獲得したものの、最大都市のヤンゴン圏の2空港は仁川国際空港公社による企業連合(韓国)等に敗れて受注できていなかった。

 今回、韓国勢との交渉が決裂した理由はミャンマー政府が年間1,200万人の旅客取り扱い能力を求めていたのに対し、仁川国際空港公社による企業連合が1,000万人での計画を主張し、折り合いがつかなかったためだ。またプロジェクトのファイナンスでも多くの問題があったとされる。


■日本の快進撃続く…邦銀3行の営業免許申請
 ミャンマーにおける日本の快進撃はこれだけではない。外銀に対する営業免許交付においても日本勢が圧勝した。申請した12ヶ国25行のうち、ミャンマー政府は6ヶ国9行に交付を決めたのだが、日本勢は免許申請した三菱東京UJF銀行、三井住友銀行、みずほ銀行のすべてが合格、一方、韓国からは3行が申請したが1行も選ばれることはなかった。

 これには、韓国最大手銀行である国民銀行の在日支店において、2014年8月に日本の金融庁から一部業務停止命令が出る等、不正を行っていたことが影響していた可能性もある。また、 麻生太郎財務相は3行への交付が決まった後、「(日本の)企業は、それぞれのメーンバンクが出ないと、(融資を受けにくく)進出しにくいという事情を先方に伝えたのが大きかった」と述べている。


■日本とミャンマーの歴史的な関わりも!
 日本VS韓国で見られがちなミャンマーでの受注獲得競争だが、日本とミャンマーにおける歴史も忘れてはならない。イギリスに占領されていたビルマ(現ミャンマー)は第二次世界大戦中において、ノーベル平和賞を受賞したアウン・サン・スーチー氏の父であり、建国の父と呼ばれたアウン・サン将軍は日本軍と協力関係を結び、一緒にイギリス軍と戦っていた。

 戦後、独立を果たすものの、軍事政権が発足し、先進諸国が距離を置いたものの、民主化運動の活発化に伴い、欧米諸国から等の投資が再開している。2011年以降、日本政府はミャンマー向けの債権5,000億円を全額返済免除し、さらには今年6月には国際協力機構(JICA)がミャンマー政府との間で総額510億5,200万円(計3件)を限度とする円借款を行う契約を交わすなど、積極的に支援している。

 軍事政権が長く続いたミャンマーではインフラの整備が急務だ。空港整備、銀行免許と見てきたが、今後も様々な分野での日本企業によるミャンマー進出が考えられる。すでに太陽生命保険はミャンマー保険公社に対して事務効率化のための保険システムを寄贈していたり、また、KDDIと住友商事によるミャンマーへの携帯事業参入も発表されている。今後の官民一体のセールスによってはミャンマー国内での更なる日本企業の躍進も期待できる。

(経営者 online)

最終更新:11月13日(木)10時30分

経営者online

 

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日揮1963
2808円、前日比-79.5円 - 11月14日 15時0分

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