2014年11月13日
知事、高速化「可能な案で」 フリーゲージトレイン
鳥取県の平井伸治知事は12日の定例会見で、伯備線と因美・智頭線の2ルートで行うフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)導入調査に関し「客観的なデータを示し、県民の議論を仰ぎたい」と強調。「現実的で可能性のある案につなげたい」とし、フル規格の山陰新幹線構想は検討対象に含まないとの認識を示した。
FGTは車輪の幅を変えることで新幹線と在来線の相互乗り入れを可能にする電車。伯備線の調査は鳥取、島根、岡山の3県が費用を負担。因美・智頭線は県が単独で行う。10月28日にJR系の「ジェイアール西日本コンサルタンツ」に一括して調査を委託した。
平井知事は、両ルートにFGTを導入する際の課題として、線形改良や新幹線と在来線が接続するアプローチの整備を挙げ、因美・智頭線ルートは電化する費用の算出もしていく考えだ。
両ルートのどちらで整備するかは地域間の“綱引き”となる可能性もあるが、今回の調査では「同じ目線で調査し比較検討する」と説明。絞り込みについては「その後の議論。まずは冷静に調査に臨み結果を見て判断したい」と話した。
フル規格の山陰新幹線構想は平井知事が2012年の近畿ブロック知事会議で議論再開を提案。沿線自治体の間で機運が高まったが、総額4兆円とされる建設費や採算性から県議会などで疑問の声が上がり、県は調査対象をより実現性の高いFGTの調査に絞り込んだ。