馬場由美子
2014年11月13日13時56分
群馬県高崎市の県立公園「群馬の森」に立つ朝鮮人犠牲者の追悼碑をめぐり、群馬県が設置期間の更新申請を不許可としたのは違法で憲法にも違反するとして、碑を管理する市民団体「『記憶 反省 そして友好』の追悼碑を守る会」が13日、県を相手取り、不許可処分の取り消しと設置期間の更新を求める行政訴訟を前橋地裁に起こした。
碑は戦時中の動員・徴用の間に死亡した朝鮮人犠牲者を追悼するもの。訴状によると、原告側は「碑は日朝・日韓の友好推進に有意義であり、都市公園の効用に資する」などとし、県の不許可処分には正当な理由がなく、裁量権を逸脱していると主張。さらに、碑の前での式典の出席者の特定の発言を「政治的発言」とした県の判断は恣意(しい)的で、「表現の場を奪うもの」だとし、「表現の自由を侵害することから、憲法21条1項に違反する」と違憲性を訴えている。
追悼碑は、守る会の前身の市民団体が、戦時中に動員・徴用され、群馬県内で死亡した朝鮮人の慰霊を目的に、県の許可を得て2004年4月に建立した。許可期限が迫った13年12月、守る会が県に更新を申請したが、県は今年7月に不許可を決め、碑の撤去を求めた。県は「強制連行」などに触れた除幕式や追悼式での出席者の発言を挙げ、「県が付した設置許可条件に違反する政治的発言が碑の前で行われ、碑の存在が都市公園にふさわしくなくなった」などとしていた。(馬場由美子)
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朝日新聞社会部
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