【ロンドン=共同】ロシアの情報セキュリティー会社「カスペルスキー研究所」は12日までに、日本などで高級ホテルに宿泊する企業幹部や研究責任者らを狙い、ホテルの無線LANサービス「Wi―Fi(ワイファイ)」に接続した宿泊客の端末から機密情報を盗み取る被害が相次いでいると発表した。
同研究所によると、攻撃者は韓国語か朝鮮語を使う人物で、企業幹部らの宿泊予定をあらかじめ把握しているもようだ。少なくとも4年前から、スパイ活動を続けているという。
攻撃者はホテルのシステムに侵入したうえで、Wi―Fiを利用する宿泊者の端末にソフトウエアの更新を装った画面を表示させ、攻撃に必要なプログラムをインストールさせて企業の機密情報を盗んでいるという。ホテルや被害企業の名前は明らかにしていない。
同研究所は世界で確認した感染端末の3分の2に当たる2千台超を日本で発見したとしている。中国や台湾などでも感染が確認された。
同研究所は「関連の警察機関とともに、この攻撃の被害を減らすために取り組んでいる」と表明した。旅行先でのソフトウエア更新には警戒し、対策ソフトを使うよう呼び掛けている。
佐々木健、カスペルスキー、ホテルWiFi