MACDとは2本の移動平均線(MACDとそれを単純移動平均化したシグナルの2本のライン)を用いることで、相場の周期とタイミングを捉える指標です。
MACDの傾きからトレンドの方向性を見るといった利用方法もあります。MACDはダマシが少なく使いやすいので、一部根強い人気を持つ指標です。
「Moving Average Convergence/Divergence Trading Method」の略で、日本語では移動平均・収束・拡散手法と言います。
MACDを活用した銘柄選択方法を動画でご紹介
→MACDの見方
→MACDの欠点
→MACDの作成方法
→ MACD上級編:ダイバージェンス現象
MACDの基本的な見方と株の達人の銘柄選択機能を使ってMACDを活用した買いタイミングの銘柄探しを解説します。
また、絞りこんだ銘柄のチェックポイントもMACDのチャートでご説明しております。
株価がトレンドを形成しながら上昇または下降する時、それに追随してまず短期の移動平均線が動き、遅れて長期の移動平均線が動きます。この際、両線の反応の違いから価格差が生じます。
この移動平均線に生じるカイリをベースに、上昇トレンドの初動から中盤には、ゼロ付近ないしそれ以下から急速に上昇し、プラスの圏内で推移します。
逆に、下降トレンドの初動から中盤には、ゼロ付近ないしそれ以上から急速に下落し、マイナス圏内で推移します。
つまり、プラス圏内だと上昇トレンドで、マイナス圏内だと下降トレンドということになります。
株価が転換する時は、短期の移動平均線が横ばいまたは反転するのに対し、長期の移動平均線はそれまでのトレンドを継続するため、急速に価格差が縮小して、MACDの値がゼロに近づきます。
したがって、MACDの天井圏、底値圏がトレンド反転の早期のサインと判断することもできます。
売買サインは、MACDとシグナル線のクロス、MACDとゼロラインのクロス、MACDやシグナル線の方向の転換などが一般的に使用されます。
以前に反転した位置がその後の反転ポイントの目安となります。また、0ラインの前後で反転することも多いので注目してください。
(株の達人のチャート上で0ラインを表示するには、指標の詳細設定画面で目盛を有、もしくは全部に設定してください。)
大きなトレンドが発生している時に、MACDが相場の流れと逆行した場合は、相場が天底に近いことを示します。(相場が下降している時にMACDが上昇し始めた場合は、近い将来相場が底を打つ可能性があります。)
また、MACDラインと同平均(SIGNAL)ラインとのカイリを、棒グラフで表した「MACDヒストグラム」もあります。
→MACDヒストグラムの見方・使い方
MACDの欠点は、じり高、じり安のトレンドが続いているような場合に、一時的に下向きになってもゼロまで下がらずにプラス圏内で横ばいになったり、一時的に上向きになってもゼロまで上がらずにマイナス圏内で横ばいになったりするケースがあります。
MACDがプラス圏内では、株価は上昇トレンドであり、マイナス圏内では下降トレンドなので、株価が高値または安値を更新した場合は、トレンドを優先させて売買した方がいいと思われます。
この他、横ばい相場ではダマシのシグナルばかり出てしまうことや、相場の天井や大底付近では株価は1日に10%以上も動くこともあり、MACDは移動平均線をベースに使っているだけで、株価の動きが短期間に激しく上下動すると把握できないという欠点もあります。
MACD=基準線−相対線
基準線(EMA):過去12日(週・月)間の終値指数平滑平均 【1】(下図参照)
相対線(EMA):過去26日(週・月)間の終値指数平滑平均 【2】(下図参照)
EMA=B+α(A-B) | A:t期の終値 B:(t-1)期における平均値 α:平滑化定数 0≦α≦1 α=2/(n+1) n:平均する期間 |
同平均(SIGNAL)=9日(週・月)間のMACDの移動平均線 【3】(下図参照)
(株の達人詳細設定画面)
■株の達人での表示方法
1. チャート画面の左上の「指標ボタン」をクリック
2. 指標の表示・編集画面の左欄の「40 MACD」をクリック
3. 左図の【1】には短期の移動平均線を設定。
【2】には、長期の移動平均線を設定。
【3】には、【1】と【2】のカイリの平均期間を設定。
高値圏、安値圏で、株価が以前の高値(安値)水準よりも上昇(下降)しているにもかかわらず、以前の高値(安値)をつけた時の水準よりも下(上)に位置している現象のことです。
MACDが底を打つ時(時点Bとする)、その水準が前回つけたMACDの底(時点Aとする)の水準よりも高いにもかかわらず、時点Bの株価が時点Aの株価よりも安ければその後大きく反発する可能性が高いとされます。
また、MACDが天井をつける時(時点Dとする)、その水準が前回つけたMACDの天井(時点Cとする)の水準よりも低いにもかかわらず、時点Dの株価が時点Cの株価よりも高ければその後大きく反落する可能性が高いとされます。