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インタビュー:経済対策財源、新規国債発行は回避へ=内閣府副大臣

2014年 11月 12日 15:38 JST
 
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[東京 12日 ロイター] - 西村康稔内閣府副大臣は12日、ロイターのインタビューに応じ、安倍晋三首相が近く検討を指示する経済対策について、新たな国債発行は回避する考えを示した。対策の規模について言及は避けたが、円安による資材高などマイナスの影響を受ける地方や中小企業、低所得者への対応が必要と語った。

<円安は経済全体にはプラス、経済対策で中小企業・地方、低所得者に配慮へ>

消費増税の駆け込み需要の反動減が長引くなど、足元の経済は停滞しており、安倍首相は18日にも追加の経済対策の検討を指示する予定。

西村氏は「円安は日本経済全体としてはプラスだが、マイナスが出てくるところも大きい」と述べ、消費税再増税の判断とは切り離し、「7─9月GDP(国内総生産)速報を受けて、首相が判断し(対策を)指示する」ことを明らかにした。

具体的な対策の柱として、円安によるエネルギーコスト上昇への対応を挙げ、マイナスの影響が大きい地方や中小企業、低所得者に「ピンポイントで必要な対策を必要なところに打つことになる」と述べた。

旧来型の「公共投資をドーンと積むことはない」と述べ、追加の公共事業は、災害対策などに限定する考えも明らかにした。

経済対策の財源には「新たに国債を発行して対策を打つ余裕はない」と語り、「税収の上振れ分や、繰り越し分、予備費などを結集することになる」とした。対策の規模については、今年度の税収の上振れなどを精査した上でのことだとして、言及は避けた。

<消費再増税判断、「まだ何も決まっていない」>

年内の衆院解散が強まるなか、2015年10月に予定される消費税率の10%への引き上げを先送りし、政策の転換について国民に信を問うとの観測が強まっている。先送り時期について、12日付産経新聞は、1年半後の2017年4月に延期する方針を固めたと報じたが、西村氏は「何も決まっていない」と繰り返した。

再増税の是非について西村氏は、今後公表される7─9月期GDP速報値(11月17日)や10月の家計調査・鉱工業生産・失業率(11月28日)、7─9月期法人企業統計(12月1日)、10月毎月勤労統計(12月2日)、7─9月期GDP2次速報(12月8日)などの指標をみながら総理が最終判断するとし「まだ決まっていない」と指摘。

最終判断では景気の基調を精査するほか、消費税を引き上げた場合に「デフレに戻り景気の足を引っ張るリスク」をどうみるか、引き上げを先送りする場合には「財政再建に熱心ではないとして金利が急騰し景気の足を引っ張るリスク。消費税増税を前提に組み立てている社会保障の充実にどう対応するか、これらを総点検しながら首相が最終判断する」と述べ、「まだ何も決まっていない」と繰り返した。

(吉川裕子 梶本哲史 編集:田中志保)

 
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7割が増税環境「整わず」

ロイター企業調査では、10%への消費税再引き上げは延期すべきとの回答が約6割を占め、1年程度の延期が最多に。
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 11月12日、西村内閣府副大臣はロイターのインタビューに応じ、安倍晋三首相が近く検討を指示する経済対策について、新たな国債発行は回避する考えを示した。5月撮影(2014年 ロイター/Toru Hanai)

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