福島県警:警部補が自殺…捜査2課で今年3人目

毎日新聞 2014年11月13日 11時44分(最終更新 11月13日 12時59分)

 福島県警捜査2課の40代の男性警部補が自殺していたことが13日、県警への取材で分かった。12日夕、南相馬市の山中で首をつった状態で死亡しているのが見つかり、使用していた捜査車両の中に遺書があった。今年に入り、同課員の自殺は3人目。

 県警によると、警部補は12日、南相馬市に1人で出張し、午後2時ごろに県警本部に戻る予定だったが戻らなかった。携帯電話もつながらなかったため、南相馬署などが捜索し、午後5時過ぎに南相馬市鹿島区の山中で捜査車両と警部補を見つけた。

 捜査2課を巡っては、4月下旬に課長補佐の警部(当時51歳)と指導官の警視(当時52歳)の2人が相次いで自殺。県警は6月、自殺した課長補佐を含む同課の男性警部3人に対するパワーハラスメントがあったとして、当時の捜査2課長を戒告の懲戒処分とし、7月に警察庁に異動になった。

 また、10月下旬には、同課の部屋で、捜査員3人が机の引き出しに保管していた捜査費の一部計5万円がなくなっていることが発覚。それ以前にも数回にわたり捜査費の紛失があったといい、県警が内部による窃盗事件の疑いもあるとみて捜査している。

 県警によると、遺書は車内にあったかばんの中から見つかり、ノートの紙1枚に複数の上司と妻、子どもあてに書かれていた。上司あてには「信頼を裏切って、申し訳ありません」、妻あてには「泥棒はしていません。これだけは信じてください」と記されていた。

 捜査費がなくなった事件では同課の部屋にいる全員が事情聴取され、自殺した警部補は「自分は被害にも遭っていないし、具体的なことは何も知らない」と関与を否定していたという。

 県警の久野浩・警務課長は「何が原因か検証して、二度とこのようなことが起きないよう人事管理を徹底していきたい」と述べた。【土江洋範】

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