韓国国防部「米の要請で日本の離島防衛訓練に参加」

中佐級2-3人派遣予定
「中国想定の演習参加は不適切」との批判も

 韓国国防部(省に相当)は、韓国軍が日本を守る演習に参加する理由について「米国の要求があったため」と説明した。

 国防部は12日、報道官名義のプレスリリースで「日米共同統合演習は日本本土防衛のため、日米両国が隔年で日本列島周辺において実施する統合演習だ。今回の演習に韓国軍が参観するのは米国の要請によるもので、中佐クラスの実務者が参加する予定だ」と述べた。

 「キーン・ソード(Keen Sword=鋭い剣)」とも呼ばれるこの日米共同統合演習は、日本列島防衛のため隔年で行われており、韓国は2010年からオブザーバーとして参加している。 2010年に4人、12年には2人が派遣された。

 19日まで行われるこの演習は、尖閣諸島(中国名:釣魚島)をめぐりもめている中国を想定した演習だ。このため、東シナ海に近い奄美群島で実施されている。自衛隊員は約3万人、米軍兵士は約1万人が参加する大規模演習だ。

 今回の演習のほかにも、日本は集団的自衛権行使のための関連法改正や、米軍と自衛隊の役割分担規定を盛り込んだ日米防衛協力指針(ガイドライン)改正を来年上半期までに確定させる方針だ。その核心は、尖閣諸島の島しょ地域に中国が軍事挑発行為をしてきた場合に備え、米軍の役割を強化することだ。米軍空母と自衛隊の地対空ミサイル部隊が一緒に演習を行うのもこのためだ。

 問題は、尖閣諸島問題で関係が冷え込んでいる日本と中国に挟まれた韓国が、日本の自国防衛演習に参加するのは妥当なのかどうかだ。東シナ海での軍事力拡大を狙っている中国と、これに反発する日本との間で綱渡りをしているような韓国としては、中国の反応をうかがわざるを得ないからだ。

 韓中自由貿易協定(FTA)などで中国との関係を固めようとしている今、中国の侵略に備えた演習に韓国軍関係者を派遣することで、後日激しい反発が予想以上に強くなる可能性もある。北朝鮮問題の解決にも支障が出るかもしれない。

 一部の人々は上のような理由を挙げ、「韓国軍が今回の演習に参加するのは不適切だ」と指摘している。さらに、中国を除いた韓米日安全保障協力強化への対策を訴える声も強まる可能性がある。

 また、日本が独島(日本名:竹島)の領有権を主張し続けているため、韓国外交部などは独島入島支援センター設置に強く反対していると言われ、「日本の顔色を見ているのでは」という内部批判も高まっている状況だ。こうしたことから、今回の演習参加は説得力に欠けているという見方もある。

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