11月上旬に封切りを迎えた香港映画「大茶飯」は香港のギャングのボスを主人公にしたアクションコメディーだ。中国本土でも「潜竜風雲」のタイトルで公開が予定されていたが、一部の映画館は突然、上映を見送った。北京のある劇場の入り口には「(香港の民主派による)占拠を支持するアンソニー・ウォン(黄秋生)が主役のため、上映を中止する」と貼り紙が出された。
予兆はあった。中国本土向けに用意された映画の宣伝ポスターには当初、主演のウォン氏が真ん中に据えられていた。だがいつの間にか女優が中心の新しいポスターに差し替えられ、ウォン氏の姿や名前は跡形もなく消えていたのだ。
ウォン氏は「インファナル・アフェア」などに出演、香港のアカデミー賞と呼ばれる香港電影金像奨で何度も受賞経験のある個性派俳優だ。もともと中国政府への反抗的な言動で知られていたが、香港の民主派が中心部の占拠を始めると、フェイスブックで学生への支持を表明した。中国国営の新華社は「香港社会への損害を公然と支持している」とウォン氏らを名指しで非難していた。
■香港映画、中国本土への依存強める
トニー・レオン(梁朝偉)、ニック・チョン(張家輝)、チャップマン・トー(杜汶沢)――。インターネット上には学生に支持や共感を表明した香港の俳優や歌手ら20人以上の名前を載せた「ブラックリスト」が出回っている。出元は不明だが、「中国のテレビ局員が上層部の命令で作成した出演禁止リストが流出した」との見方が強い。
香港のエンターテインメント業界は中国本土への依存を強めている。香港の映画産業団体の集計によると、2013年に中国本土で上映された香港映画は24本。ナンバーワンヒットを記録した「西遊・降魔篇」をはじめとする興行収入は合計49億元(約920億円)と、中国の映画市場で22%のシェアを占める。
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