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2014年11月13日 (木)

人手不足の状態を保つことこそ人手不足対策

平家さんの「労働、社会問題」ブログが、「人手不足対策の空騒ぎ」というエントリを書かれています。

http://takamasa.at.webry.info/201411/article_2.html

人手不足の代表とされる外食産業と建設業について、極めて辛辣な表現で安易な人手不足対策論を叩きます。

外食産業の雇用はかなり急速に拡大しているので、絶対的な供給不足というわけではなさそうだ。この産業で不足しているのは、低賃金労働者だ。・・・・・これを人手不足と呼ぶべきだろうか?このような労働条件でも簡単に人が集まるというのは、深刻な仕事不足だったからだ。現状は、仕事不足が解消してきたととらえるのが正確ではないか?景気が回復すれば、このような現象が起こるのが当たり前で、国民の負担で対策などを打つ必要はない。

だからこそ、今まで我が世の春を謳歌していた某外食大手が、大量閉店に追い込まれたりしているわけで、国民の幸福水準の向上という観点からは望ましいことでしょう。ついでに言えば、ようやく長きにわたった仕事不足状態を人手不足状態に変えたのが(政権そのものの政治姿勢には人によって色々議論があるにしても)アベノミクスであることだけは間違いないわけで、その反省なしにアホノミクスとかいってうれしがっているようでは、なかなか先行きは遠いと思いますね。

建設産業での人手不足は性格が違う。こちらはそれなりの賃金が支払われる熟練労働者が不足しているのだ。原因は簡単で、長期にわたる不況のせいで人材養成が行われて来なかったところに、突然需要が増えたということに尽きる。もう少し需要を安定させておけば、これほどの不足にはなっていなかっただろう。それぞれの職場で人材養成は始っている。仕事をすること自体が人材の養成なのだから。訓練校を作ったり、人手を節約するような技術の開発も進んでいる。仕事ができたて人手不足になったから人材養成が進むのだ。需要を安定させ、人手不足の状態を保つことこそ人手不足対策なのだ。打ち上げ花火のような緊急対策、即効性のある施策はとる必要がない。

こちらはある意味、過去10年以上にわたる公共事業縮小政策に労働力が(血を流しながら)適応してきたその帰結が今日ただいまの人手不足という面もありますね。

いずれにせよ、「人手不足の状態を保つことこそ人手不足対策」というのは至言です。

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