音楽、インターネット、スタートアップ(新興企業)をテーマにした業界横断イベント「THE BIG PARADE(ザ・ビッグ・パレード)」が、2014年9月13日から15日まで東京・代官山で開催された。カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の菅沼博道執行役員が15日に、「ビッグデータを活用したCCCの音楽ビジネスの展望」と題する講演を行った。
CCCの創業は1983年。映像や音楽のソフトをレンタルする「TSUTAYA」事業や、ポイントカード「Tカード」事業を手掛ける。CCCはTSUTAYAを全国で約1400店舗展開している(2014年3月末時点)。Tカードの会員数は6月末時点で4900万人で、「9月末に5000万人に到達すると見込んでいる」(菅沼氏)。
同社の強みとして菅沼氏は、会員の購買動向が分かるデータ分析基盤「DB WATCH」を挙げた。会員の年齢や性別、エリアごとの傾向や、時系列に沿った購買動向を分析できる。
菅沼氏は具体例として、データベースから算出した2013年9月から2014年8月までの1年間に売れた音楽CDのランキングを紹介した。「日本全国でCDを買っている人の5人に1人くらいのデータは集まっている」(菅沼氏)。
菅沼氏が示したデータによると、ランキングの1位から20位までの半分くらいがベストアルバム。残りの半分の多くは、ベテランクラスのアーティストが出したオリジナルアルバムだったという。「ベテランアーティストでないがランキング入りしている、女性歌手グループ『E-girls』について、今回は分析してみたい」(菅沼氏)として、講演で詳細に解説した。
菅沼氏が紹介したのが、会員が商品を購入する際に併せて買う商品を分析する「併買分析」の手法だ。E-girlsのCDを購入する会員は、女性歌手の西野カナさんや、安室奈美恵さんのCDなども購入する傾向があるという。
音楽CDだけでなく、雑誌や漫画なども併売分析の対象にできる。例えば、西野カナさんや安室奈美恵さんのCDを購入する会員は、自動車関連の雑誌を合わせて購入する傾向があるという。この分析結果を基にすれば「例えば、自動車関連のCMに出演してもらう」(菅沼氏)などの販促活動が考えられるわけだ。
続けて菅沼氏は、Tカード事業の今後の展開について言及。将来は、電子マネーや本人認証などの機能を追加する可能性もあるとした。
「例えば、本人認証機能が加われば、音楽ライブでのチケットをなくせる」(菅沼氏)。ライブのチケット購入をTカードの電子マネー機能で決済し、会場ではチケットの代わりにする。来場する可能性が高い会員を分析し、レコメンド(推薦)メールを配信するなどの応用も考えられるという。菅沼氏は「Tカード1枚でライブができるようになる」と、Tカード事業を5000万人会員のインフラとして活用していく将来像を語り、講演を締めくくった。
(日経コンピュータ 岡田薫)
[ITpro 2014年9月15日掲載]
カルチュア・コンビニエンス・クラブ、TSUTAYA、Tカード、ビッグデータ
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