精華の音楽コースの特徴のひとつは、楽曲をつくるだけでなく、音楽をたくさんの人に届けるための多様な手法を学べること。
1年生の必修科目「基礎実習5」では、音楽や情報を発信していくために必要な知識や技能を身に付けるために、自分で決めたテーマにもとづいて調査をしたり、実際にメディアを使って情報発信するプロジェクトに取り組みます。
この日の課題は、プロの音楽家に実際にインタビューを行い、ブログで発信するための記事を作成するという実践的な内容。そのゲストアーティストとしてtofubeatsさんをお招きしました。なんと贅沢な授業。
今月リリースされたメジャー1stアルバムで注目を集めるTofubeatsさんは、トラックメイカー、音楽プロデューサー、そしてDJとしても活躍する注目のアーティストです。
前半は、担当教員の谷口先生によるインタビュー形式で、インディーズで活動されていた学生時代からメジャーデビューを果たすまでをたどりながらお話を伺いました。
「学生時代はまわりに音楽をつくる人がいなかったので、レーベルを通してそういう人たちと知り合って繋がることが単純にうれしかった。だから、こんなにたくさんの仲間がいるみなさんの環境がうらやましい」と、tofubeatsさん。
非営利で活動するネットレーベルに所属していた頃のこと。
メジャーレーベルに所属したことでインディーズ時代から変わったこと、あえて変えないようにしていること。
100人に響くものと1000人に響くものをつくることの違いについて。
作曲するときのアプローチの仕方など。
それらを通して音楽活動に対するtofubeatsさんの考え方や想いが伝わってきました。
後半では、学生からの質問にも答えていただきました。
東京ではなく、地方を拠点に活動することのメリットとデメリット(tofubeatsさんは神戸を拠点に活動している)。
インターネット上に音楽データをアップロードするストレージサービスのこれからの可能性。
風営法の規制強化や音楽の著作権など法律の話。
趣味としていた音楽を仕事にすることで、制作において変わったこと、変わらなかったこと。
自身のライブのセットリストの決め方など。
音楽を志す学生たちにとって、tofubeatsさんは自分たちの少し先を進んでいる先輩。
将来活動していくことを見据えた疑問や、自分にとって身近な問題についてどんどん質問していました。
質問していた堀江くんは、高校生の頃からtofubeatsさんの音楽が好きでずっと聴いていたそう。
「tofubeatsさんの曲を聴き、映像を見て、さまざまなインタビューを読んだりしてきたけれど、実際に会って話すと、プロフェッショナルとして仕事をされていることを強く感じました。相手から何を求められているのかを理解して、自分の言うべきことを的確に話されている。音楽を仕事にするには、つくるだけじゃなくて、そういうところも大事なんだということがわかりました。」
この後、インタビューした内容を各自でまとめて記事を執筆します。
それぞれの視点で、みんながどんなポイントをとらえているのか、読み比べるとおもしろそうです。