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マントル上昇の仕組み 東北大が解明

 東北大大学院理学研究科の村上元彦准教授(地球深部科学)らの研究グループは、マントルの底にある高密度の「ダークマグマ」が、巨大高温マントルの上昇流である「スーパーホットプルーム」の発生に関与していることを突き止めた。スーパーホットプルームは、ハワイやアフリカ大陸の活発な火山活動の源と考えられており、その発生メカニズムが初めて明らかになった。
 地球の内部は地表から地殻、マントル、核に分かれる。南太平洋やアフリカ大陸の下では、核の熱が伝わって高温になったマントル成分が上昇し、地表の火山活動を引き起こしている。
 このスーパーホットプルームは地震波が伝わる速度により、深さ約2900キロの下部マントルと外核との境界部分で生まれることまでは確認されていたが、発生メカニズムは分かっていなかった。
 研究グループは、スーパーホットプルームと分布の重なるダークマグマに着目。成分の同じガラス物質を試料として超高圧力発生装置で再現実験を行った。
 マントル底部に相当する80万気圧まで密度を高めたところ、試料の色が黒く変色し、周囲の鉱物に比べて5〜25倍も熱を伝えにくくなっていた。熱の伝わり方の差からマントルが対流し、スーパーホットプルームが発生していると考えられるという。
 ダークマグマは南太平洋やアフリカ大陸のほか、北米や北極圏にもある。
 村上准教授は「規模が小さく、注目されてこなかったマグマが重要な役割を果たしていることが分かった。スーパーホットプルームが今後発生しそうな地点の解明にもつながる」と話す。


2014年11月13日木曜日

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