F-14Jトムキャット~吉兆と不吉を届けた招き猫~
今日は9.11。アメリカの誇る戦闘機を贈ります。遺族のご冥福と世界が平和であらん事を・・・
【F-14J<トムキャット>】
≪ゼロキャット≫≪ヴルキリーゼロ≫の愛称で呼ばれる日本の主力マルチロール戦闘機。(他にも<ミサイル番長>や<猫又>などの愛称もある)
最初の第一次F-X選定、1959年(昭和34年)時には当時の警視庁航空隊(後の航空警備庁)・海上保安庁の両庁共に“同一機種で運用を行う”と決まっており、グラマンF-11スーパータイガーを採用するのが決定していたが、土壇場になって警視庁航空隊サイドがロッキードF-104スターファイター(栄光)の採用を決定。
結局、警視庁航空隊のF-104スターファイターと海上保安庁航空隊のF-11スーパータイガー二本立ての採用となりその選考過程はスキャンダルとなったものの現在も真相は闇の中。一説にはロッキードサイドと政治家と官僚が関与し多額の献金疑惑も・・・
次の1969年(昭和44年)の第二次F-Xは第一次の騒動がウソの様にすんなりとマグドネル・ダグラスF-4ファントムⅡに決定。
しかし1976年(昭和51年)の第三次F-Ⅹがまたも荒れた。アメリカや欧州など7機種が候補に挙がったが最終的にグラマンF-14トムキャットVSマグドネル・ダグラスF-15のアメリカ機同志の一騎打ちとなった。
特に同じアメリカの機体でしかも空軍機と海軍機で仲も悪くアメリカ最強の戦闘機はドチラだ!?と関係者達がヒートアップし、日本・アメリカ両政府を巻き込んだ熾烈な売り込み合戦が繰り広げられた。わざわざ両機とも日本でデモフライトまで行う力の入れよう。
F-14採用の背景には「F-15では空母で使用出来ない」
「日米貿易摩擦などを背景に高価な機体を大量購入して摩擦を下げるというアメリカ政府との取り引き」
「田中角栄首相が手案した日本を“不沈空母”にしてソ連に対抗する<列島空母化計画>の為の機体」
「政治家・官僚にマク○スファンが居て狂信的に熱烈に押した」などなどと色々と実しやかに語られたがドレも正解で理由の一端でもあったが、F-15を押し除けてF-14が主力戦闘機となった最大の決め手となったは「ブラックボックス無しでの完全ライセンス国内生産」である。(後、裏には格安での空母購入の便宜もあった)
これ等の理由により第三次F-Xで日本政府は艦載戦闘機であるF-14トムキャットの導入を採用を決定。
この決定の後の1976年(昭和51年)に発生した「ロッキード事件」一説にはF-15を不採用にした腹いせに嵌められたとも言われる。
熾烈な一騎打ちに勝利して航空警備庁並びに海上保安庁で採用されたF-14は全戦闘機部隊がF-14に統一となった。
最初に納入されたのは1981年よりF-14Bを14機納入。その後、日本独自改修したF-14Jの配備も始まった。
このF-14Jは米海軍で少数配備に終わったF-14D スーパートムキャットを先取りした様な機体だが中身は全く違う。
特に1976年9月6日に発生したヴィクトル・ベレンコ中尉がMiG-25迎撃戦闘機で日本の函館市に着陸し、亡命を求めた「ベレンコ中尉亡命事件(ミグ25事件)」の戦訓やデータも多く生かされており、特にMiG-25をベースに大幅に改造され作られたMiG-31戦闘機を意識した。
F-15の様に要撃任務を主任務にしておりエンジンを国産で更に強力なモノへチューナップしての換装に加え、ハードポイント(機外兵装ステーション、搭載ステーション)も8ヶ所から12ヶ所に増加。
このハードポイント増加により〈ミサイル番長〉とも言われる程のミサイルを搭載可能に。
レーダーもパワーアップ。“衛星攻撃も可能では?”と言われ国会で物議をかもした。そして最大の特徴は単座戦闘機となった点。
その性能は≪西側最強戦闘機≫に二つ名を得る程で本家のアメリカ海軍も導入を熱望したが ただでさえ高価な機体が更に高価になった為(1機120億)米海軍関係者は涙を飲んだ。
派生機も多く作られアメリカ軍で試作で終わった対地攻撃能力と12tもの大搭載能力を持つ戦闘爆撃機型≪ボムキャット≫や電子戦・偵察型≪キャッツ・アイ≫空中給油機モデルや対潜哨戒機モデルなどがあり配備された。
大変優れた戦闘機でパイロットや軍関係者は歓喜したが、日本航空技術者達にとってはこの機体を越える機体を作らないといけなくなり頭を抱えた。
またこの決定でF-Ⅰ戦闘機並びにF-2戦闘機の採用は立ち消えとなった。
F-1支援戦闘機は「糞高い機体採用でしかも性能が劣る機体を開発・採用出来るか!」と当時の大蔵省の皆さまがブチ切れ、F-14採用で旧式化するF-4を練習機にする事を決定。F-2戦闘機に関しては後述で詳しく。
そういった意味では日本航空業界に不吉を招いた凶兆の猫と言われた。
そして1990年代に入り「スーパートムキャット21計画」を元にした改修プロジェクトも始動。
機体のほぼ全て再設計。アフターバーナーの使用無しでのマッハ1の巡航飛行が可能なエンジンの搭載、三次元推力偏向式ノズルの採用、ステルス性の付加、新型電子装置(アクティブ・フェーズド・アレィ・レーダー、グラス・コックピット、広角ヘッド・アップ・ディスプレイ、HOTASコントロール、デジタル式フライ・バイ・ワイヤ飛行制御システム)の搭載、搭載能力とハード・ポイントの拡長などなど国産アヴィオニクスをこれでもかと取り入れ、21世紀にも通用する戦闘機として計画された豪華な計画であった。
スーパークルーズ能力の付与や改良型航空電子装置の搭載、マルチロール化して21世紀でも通用する戦闘機を作り上げる壮大な計画であったが、しかし!
時は冷戦終結後「コストの高いF-14の使い続けるののは如何かと?」と言うのが国会で言われ議論となり、よりコストの安いF-16(F-2戦闘機)とハリアーの2本立ての計画も出された。
が、あまりにF-14Jの性能が凄くかったのとF-2の開発費と生産コスト、性能がF-14Jに勝てず、しかもフランスなど他国からの売り込み・共同開発提案により事態の混沌に拍車化。
また国民から“F-14の退役反対!”と署名運動が行われ国会に提出される気運な戦闘機でもあった。
余談ながら開発したF-2戦闘機は形ばかり採用されたがスグに退役。退役した機体は台湾軍が購入。
F-16の改修機として各国に売り込まれ、F-16を採用した国々が次々と購入。≪世界最強のゼロ・ヴァイパー≫の二つ名で親しまれ、各国に採用された
そして第五次F-X最有力候補であったF-22ラプターの輸出不許可とF-35ライト二ングⅡの生産遅延により業を煮やし、改修型(魔改造モデル)であるF-14JⅡ≪ブラック・キャット≫の生産が決定した。
ココに「UFOとラプター以外無敵」と豪語し、実際にその通りと言われる史上最強のネコがこの世に生を受けて生まれた。
F-14Jをベースとしてウエポンベイ化したコンフォーマル・フューエル・タンク、レーダー波吸収材、F-18E/Fのような外側に10°傾斜させた垂直尾翼やエンジン吸気口にレーダーブロッカーを装備してステルス性の付与、三次元推力偏向式ノズルを採用して運動性の向上を図った近代アップデート魔改造機体が誕生した。
アビオニクスもレーダーはAESAレーダーに電子戦機器はデジタル式統合電子戦システムに、コントロールシステムには最新のデジタル・フライ・バイ・ワイヤ、コックピットはF-35と同様のタッチパネル式大型液晶ディスプレイを取り入れた新型コックピットシステムに換装された。
また機体に関しては新炭素複合素材など新素材の採用により元となるF-14Jより更に軽量に設計されており、さらなる低燃費化が図られている。
これらの改修によりステルス性はF-22、F-35などの第5世代ジェット戦闘機に匹敵する程度にまで向上。
運動性においてはF-22、F-35を超えていると言われて、実際に某演習でF-22に勝利し、世界で唯一F-22ラプターに勝てる機体と言われる。
正しお値段も凄くすご~く高くなり一機当たりラプターとほぼ同価格の140億近くもする。
現在の所、ホットスポットである沖縄・九州並びに海上保安庁航空隊の一部の空母を中心に配備が進んでいる。
予定では近代化改修されつつノースロップ・グラマンと三菱が共同開発中のF-3戦闘機が生産予定の2030年代まで現役に留まる予定。
また≪痛機≫としても世界的に有名で一番有なのはマ○ロス似の機体だったが近年では漫画やアニメのネコキャラなどを機体に書かれている事が多く、近年ではア○マスの痛機も飛んだ事で有名。
「F-14Jトムキャット≪ゼロキャット≫」
【スペック】
乗員:1名
全長:19.10m
全幅:主翼後退角75度10.15m~退角20度19.54m
全高:4.88m
最大速度:マッハ3
実用上昇限度 :20,000m
エンジン:F110-IHI‐229改(推力14,000kg)×2
航続距離 :3,500km
最大搭載量:8,000kg
兵装
固定武装:M61A1 20mmガトリング砲×1
他にF-14Jトムキャットに似合う愛称があればぜひ感想にお書き下さい。
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