ルール解説
「ZOIDS GENERAL」のルールは、今は亡き(??)SSI社から発売されていた「Panzer
General」、「Panzer General 2」、および「People"s
General」を参考にしています。
というか、ほとんどパクっています。
これらの作品を遊んだ経験のある方は、スンナリと理解できるはずですが、多くの日本人には馴染みのないルールだと思います。
1.ユニットの表示
ユニットの下には、最大で三つのアイコンが表示されます。
左から「戦闘力アイコン」、「行動済みアイコン」、「移動済みアイコン」です。
戦闘力アイコン:
ユニットの戦闘力を表します。
戦闘力とは、ユニットの耐久力と攻撃力を抽象的に表す数値です。
戦闘力が高いユニットほど敵の攻撃に耐え、より多くのダメージを敵に与えられます。
戦闘力の最大値は、ユニットのタイプにより異なります。
タイプ | 戦闘力 | ユニットの例 |
兵員 | 10 | 歩兵、装甲歩兵、重歩兵、戦闘工兵、アタックゾイド、ゾイド24 |
小型ゾイド | 10 | ガリウス、グライドラー、モルガ、ゲルダー、ゴドス、カノントータス、コマンドウルフ、ブラックライモス、メタルフット |
大型ゾイド | 13 | レッドホーン、サーベルタイガー、シールドライガー、ディバイソン、ライトニングサイクス、ジェノザウラー、バトルアーマー |
巨大ゾイド(ビ級ゾイド) | 15 | ゴジュラス、アイアンコング、ゴルドス、サラマンダー、マンモス、ビガザウロ、デススティンガー、装甲巨神 |
超巨大ゾイド(超ビ級ゾイド) | 17 | ウルトラザウルス、デスザウラー、マッドサンダー、ギルベイダー |
以上から、大きなゾイドほど耐久力と攻撃力が高いことが分かります。
小型ゾイドは、どんなに頑張っても、最大で10のダメージしか与えられません。
しかし巨大ゾイドは、最大で15のダメージを与える可能性があります。
旧式のビガザウロと最新鋭のブラックライモスが戦った場合、両者が万全の状態の場合は、ブラックライモスが一撃でビガザウロを破壊する可能性はゼロですが、ビガザウロはブラックライモスを一撃で破壊できるかもしれません。
「戦闘力は"パワー"だぜ」なのです。
また、「戦闘力アイコン」は、ユニットのレベルも表します。
レベルは、そのユニットがどれだけ経験を積んでいるかを表します。
レベルの高いユニットは、攻撃や防御にボーナスを得ます。
上の図の一番左がレベル0のガリウス、一番右がレベル5(最大レベル)のガリウスです。
レベル5のガリウスは、レベル0のゴドス以上の性能を発揮します。
ユニットは、攻撃で敵にダメージを与えたり、敵の攻撃でダメージを受けたりすると、経験を積んでゆき、経験が一定の量に達するとレベルが上がります。
高レベルのユニットは貴重な戦力なので、全滅させないように気をつけてください。
行動済みアイコン:
ユニットは、ターンのはじめに1の行動力を与えられます。
ユニットは行動力を消費することにより、「補給」「補充」「攻撃」を行えます。
これらの行動が済んだユニットには、「行動済みアイコン」が表示されます。
移動済みアイコン:
ユニットは、ターンのはじめに移動力が補充されます。
ユニットは移動力を消費してマップ上を移動します。
移動が済んだユニットには、「移動済みアイコン」が表示されます。
通常、ユニットは、1ターンに1回しか移動できません。
移動力を余らせても、移動を終えた時点で捨てられます。
ただし、「逐次移動」の能力を持つユニットや、「蹂躙」の特殊能力を使った場合は、例外として、移動力が残っている限り続けて移動できます。
・逐次移動
機動力の高いユニットにのみ与えられた特殊能力です。
移動力が残っている限り、1ターンの間に何度でも繰り返し移動できます。
ただし、一度移動を終えると、「実際に使った移動力+1」の移動力が消費されます。
つまり、10の移動力を持つユニットが3ヘクス移動すると、残りの移動力は6になる、ということです。
この能力は偵察に有効なばかりか、戦闘においても重要な意味を持ちます。
アルメーヘンの橋の戦いでは、これを駆使しなければ勝利は望めません。
2.戦闘
・攻撃方法
攻撃には「射撃」「砲撃」「近接戦闘(格闘)」の三種類があります。
隣接するヘクスへの敵への攻撃は「射撃」と「近接戦闘(格闘)」。
2ヘクス離れた敵への攻撃は「射撃」。
3ヘクス以上離れた敵への攻撃は「砲撃」です。
攻撃の種類 | 説明 | 先攻・後攻 | 弾薬 | 都市にいる敵への攻撃 |
近接戦闘 | 鈍器、剣、爪、牙などによる格闘攻撃 | 敵味方が同時に攻撃 | 消費しない | 可能 |
射撃 | 直接照準による射撃 | 先制権の判定あり | 消費する | 隣接するヘクスの敵のみ可能 |
砲撃 | 間接照準による砲撃 | 先制権の判定あり | 消費する | 可能 |
上の表の通り、都市に立てこもる敵は、隣接しなければ射撃できません。
建物に視界が遮られ、敵を狙うことができないためです。
都市にたてこもる敵は、遠距離から狙い撃てない。
曲射する砲弾であれば、攻撃可能!
以上から、都市にいる敵を攻撃するには、砲撃可能なユニットを使うのが一番です。
とくに敵が塹壕を掘っている場合は、隣接しての射撃は大きな危険を伴ないます。
・先攻・後攻
攻撃する側とされる側が、ともに相手の射程距離内にいる場合は、先攻と後攻が判定されます。
ユニットには「先制権」のパラメータが設定されていて、これにレベルと乱数を加算した値が判定に使われます。
先制権は、高度な武器を装備しているユニットや、高速なユニットが高く設定されています。
・塹壕
歩兵や一部の小型ゾイドは、1ターンの間移動しないと、自動で塹壕を掘ります。
塹壕を掘ったユニットは防御力が高くなります。
また、塹壕を掘った敵に隣接して攻撃すると、一定の確立で「頑強な防衛」に遭います。
「頑強な防衛」に遭うと、攻撃した側は必ず後攻になり、かつ非常に大きな損害を受けます。
(防御力の計算に「近接防御」のパラメータが使われます。)
どれだけ深い塹壕を掘られるのかは、ユニットのパラメータで設定されています。
戦闘工兵は「6」まで塹壕を掘ることができますが、グランチュラやスパイカーは「2」が限界です。
塹壕を掘った敵を攻撃するには、工兵を使うのが一番です。
ユニットには「工兵」のパラメータが設定されていて、この値が高いユニットほど安全に塹壕を掘った敵を攻撃できます。
「工兵」の能力が高いのは、兵員や小型ゾイドです。
逆に小回りの効かない大型ゾイドで塹壕に潜む敵を攻撃すると、大損害を受けます。
これを利用すれば、スパイカーやグランチュラでアイアンコングに大ダメージを与えることさえ可能です。
塹壕は攻撃を受ける度に、1ずつ減ってゆきます。
あらかじめ砲撃で塹壕を減らしてから攻撃するのは良い戦術です。
・抑圧
ユニットは敵の攻撃によりダメージを受けると戦闘力が減少します。
また、ダメージを受けなくても、攻撃により戦闘力を充分に発揮できない状況に陥る場合があります。
この状況を「抑圧」と呼びます。
敵の攻撃で抑圧されたユニットは、抑圧された分だけ、同じ戦闘で攻撃に使える戦闘力が減らされます。
例えば、射撃で3の抑圧を受けたユニットは、反撃または近接戦闘で、「戦闘力-3」分だけ攻撃できます。
抑圧を受けた結果、攻撃に使える戦闘力がゼロになったユニットは、同じ戦闘で以降の攻撃ができません。
近接戦闘で「抑圧」を受けて、戦闘力がゼロになったユニットは、自動で「後退」します。
「後退」できるのは、敵に隣接していないヘクスだけです。
「後退」できるヘクスがない場合は、「降伏」します。
「降伏」したユニットは、実際の戦闘力がいくら残っていても、一発で消滅します。
このルールがあるため、戦力を集中するときには、注意が必要です。
常に退路は確保しておきましょう。
逆に敵の退路を絶って「降伏」に追い込むのは、素晴らしい戦術です。
・地形の適性
ユニットには、それぞれ地形に対する適正があります。
森林に適正のあるユニット、砂漠に適正のあるユニット、雪原に適正のあるユニット・・・などなど。
適正のある地形にいるユニットは、攻撃力、防御力ともにボーナスを受けます。
逆に適正のない地形にいるユニットは、ペナルティを受けます。
・支援砲撃
長距離砲撃能力を持つユニットは、射程内で味方が敵に攻撃された場合に、敵に対して自動的に砲撃します。
これが「支援砲撃」です。
非常に厄介な能力で、「支援砲撃」可能なユニットが一部隊いるだけで、相手の攻撃行動は大きく制限されます。
ただし、「支援砲撃」可能な同じ種類のユニットが複数いても、実際に「支援砲撃」できるのは1つのユニットだけです。
これを図を使って説明します。
赤枠のモルガが右のハイドッカーを攻撃する場合を例にあげます。
モルガは、ゴルドス4部隊、および砲兵1部隊の射程内に入っています。
しかし、ゴルドス4部隊分の「支援砲撃」を受けるわけではありません。
同じ種類のゾイドからは1回しか「支援砲撃」を受けないからです。
そのため、上の例だと、ゴルドスから1回、砲兵から1回、計2回の「支援砲撃」を受けることになります。
同じ種類の「支援砲撃」可能なユニットを集中させても、無敵の効果は得られないということです。
また、「支援砲撃」で受ける被害は、通常の砲撃より低くなります。
「支援砲撃」は戦場を制圧するほどの威力を持つ特殊能力です。
いかに相手の「支援砲撃」をかわして、敵を自軍の「支援砲撃」の対象にするか?
この駆け引きが「ZOIDS GENERAL」の重要な部分です。
・対空迎撃
「支援砲撃」の対空版です。
一部のユニットのみが「対空迎撃」可能です。
・支援砲撃回避
ゾイド24は、支援砲撃を受けません。
この能力を「支援攻撃回避」と呼びます。
ゾイド24は、小さく隠密性に優れ、機動力があり、防御力が高く、高い火力を持つため、このような特殊な能力を発揮できるのです。
他のユニットはには無理な芸当です。
ゾイド24は最高の工兵と言えます。
・蹂躙
突進力と機動力を兼ね備えたユニットは、戦闘力の低下した相手を、一撃で破壊できます。
この攻撃を「蹂躙」と呼びます。
「蹂躙」は大変速やかに行われるため、行動力を消費しません。
また、移動の終わったユニットが「蹂躙」を行使すると、移動力が残っている場合に限り、再び移動できるようになります。
この能力を駆使すると、多数のユニットを次々に破壊できます。
付け加えると、「蹂躙」による攻撃は弾薬を消費しません。
敵の反撃も受けません。「支援砲撃」さえも、です。
・乗車戦闘
いわゆる歩兵戦闘車的な性格を持つゾイドは、搭載している兵員を戦闘に参加させられます。
例えば、ゲルダーに装甲歩兵を搭載した場合、ゲルダーの防御力と移動力、そして装甲歩兵の塹壕構築能力、塹壕破壊能力、対奇襲能力を兼ね備えた強力なユニットになるのです。
ゾイドと兵員の長所を併せ持つ形になるのですが、逆に兵員のステルス性を損なわせたり、攻撃を受けると搭載している側とされている側の両方が損害を受けたりします。
乗車戦闘が可能なのは、ゲルダー、ハイドッカー、カノントータスだけです。
将来的にも、これらの代わりになるユニットは登場しないので、長いこと使われ続けることになるはずです。
3.視界
ユニットには視界の広さが設定されています。
偵察用のユニットや、レーダーを装備したユニットは、広い視界を持ちます。
また、特定のユニットは、相手のレーダーを無効化します(ECM能力)。
ECM能力を持つユニットの周囲には、妨害電波が張り巡らされ、レーダーの効果が大幅に減じられます。
帝国軍のディメトロドンや、共和国軍のゴルヘックスは、特に高いECM能力を持ちます。
移動中に、見えていない敵ユニットに隣接すると、敵の「奇襲」を受けてしまいます。
「奇襲」を受けたユニットは、反撃できず、かつ防御力が下がり、大きな損害を受けます。(防御の計算に「近接防御」が使われます。)
いくら強力なゾイドが揃っていても、敵が見えなくては勝負になりません。
偵察用ゾイドは非常に大きな意味を持ちます。
・ステルス性
視界の中にいるユニットが必ず見えるわけではありません。
ユニットにはステルス性が設定されていて、これが高いユニットは視界の中にいても発見できません。
ステルス性の高いユニットとして、小型ゾイドや兵員が挙げられます。
逆に大型ゾイドや要塞は総じてステルス性が低く、遠くからでも丸見えです。
しかし高いステルス性も万能ではありません。
偵察用ゾイドが敵にいると、ステルス性の高いユニットも、かなり遠くから見つかってしまいます。
敵の偵察用ユニットを早めに潰すのは常套手段です。
4.変形
「ZOIDS GENERAL」には変形ユニットがいっぱい出てきます。
代表的なものには、砲兵や対空陣地があります。
他には次のようなユニットが含まれます。
・水中に潜れるユニット
・建設ユニット(基地全般)
・輸送ユニット(ホエールカイザー、グスタフ、サラマンダー、ストームソーダなど)
・荷電粒子砲を持つユニット
・装備を排除できるユニット
・スタリアス的なユニット
・発進までに時間のかかるユニット
・・・ようするに「何でもあり」ということです。
変形には、次のルールが適用されます。
・変形すると移動力を「最大移動力の半分」だけ消費します。
・変形した後には、「変形後の最大移動力の半分」だけ移動力が残ります。
・移動力ゼロのユニットが変形したときは、行動力を消費します。