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【米中首脳会談】
国交35年、変わる大国関係…協調演出も利害は錯綜
【北京=山本秀也】12日北京で行われたオバマ米大統領と習近平・中国国家主席の会談は、国交正常化から35年を迎えた米中関係の変貌を映し出すものとなった。旧ソ連を「共通の敵」として手を結んだ米中は、世界の2大経済大国として地域や国際問題で「共通の利益」を求める一方、安全保障や民主、人権などの原則問題で対立するなど、利害の錯綜(さくそう)を深めつつある。
安保や経済秩序
米中首脳の会談は、習近平政権の発足以来、今回で3度目。11日夜に北京の中南海で行われた会談では、習氏が「(君子は)和して同ぜず」という論語の一節を引用し、対立を残した状態でも、米中両国が「新型大国関係」を構築できるとの持論を展開していた。
12日の共同記者会見で、両首脳は気候変動問題をはじめ、大国として共通の利益にかかわる問題で協調の成果をみせた。気候変動問題は、オバマ政権の発足当初から中国に協力を求めていただけに、オバマ氏は「歴史的な合意だ」と成果を誇示した。
だが、中国中心の地域秩序をアジアで構築することを狙う習氏は、「太平洋は中米両国の発展を収められるほど大きい」などとして、米国が最大の影響力を持つアジア太平洋の安定に中国の関与を要求。中国中心の経済秩序を構築する核であるアジアインフラ投資銀行(AIIB)にも言及するなど、米国への対抗姿勢を強く示した。