スイス放送協会の「スイステレビ」取材班が18日、水俣市立水俣病資料館を訪ね、水俣病認定患者の緒方正実さん(56)をインタビュー取材した。緒方さんは東京電力福島第1原発事故との共通点を問われ「どちらも国策で経済発展を優先した中で起きた。豊かな暮らしの裏には悲惨さがつきまとうことを世界に伝えてほしい」と話した。
取材班は、公式確認から半世紀以上たった現在も未解決の水俣病問題をニュース番組で放送するのが目的。スイスでも約40年前に、水銀を含む廃水を垂れ流していた工場周辺の土壌から高濃度の水銀が検出されたことがあるという。協会のジョージ・バウムガルトナー日本特派員は「水俣病と同じ悲惨な公害は、今も世界中で起きている問題だ」と指摘した。
取材班は、胎児性患者たちを支援する交流多機能施設「ほっとはうす」(同市)も訪れ、患者たちの話を聞いたり、作業の様子をテレビカメラで撮影したりした。
=2014/03/19付 西日本新聞朝刊=
引用元: 水俣も福島も国策の犠牲 スイスのTV局取材に水俣病患者・緒方さん [熊本県] – 西日本新聞.