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新作路11月

2014年11月1日308号
sinjanglo 「九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響」(加藤直樹著)を読んだ。まさしく、東京、神奈川はジェノサイドの街であったし、大虐殺した事実に向き合っていないことを改めて感じた。「韓国人殺せ!」と叫ぶヘイトスピーチに揺れる今、普通の市民が豹変し、人を虐殺することがどうして起こったのかを真剣に向き合うためにおすすめしたい。読みやすい本であり、若い人に読んでほしい。▼川崎駅でも、へートスピーチと呼ばれる示威行為が何度か行われていると聞く。夏から、館にも、時々「朝鮮人!朝鮮帰れ!」と電話口で怒鳴りつけて切る嫌がらせが続いている。今までも単発では、何度かあったが、近所に、チラシも配られていると、地域の人が教えてくれた。民族や出自をひとくくりにして、悪意を持った決めつけを述べ立てるチラシは、心をかき乱される。大人であり、日本人である私がそうなのだから、民族ルーツを持つこどもたちが、どんな思いで聞くだろうと思うと、心が痛い。こどもたちのとって、当事者にとって、「暴力行為」以外の何物でもないし、傷ついた心の傷は、なかなか癒えない。▼自分の手柄でもないのに、自らの特権的地位を守るため「よそ者」を作りだし、排除する。これは醜い行為である。日本各地や、国境を越えて、働き人を受け入れ、分かち合う歴史を積み重ねてきたのが、川崎南部である。そして、これからオリンピックに向けて、たくさんの働き人を受け入れる歴史が繰り返されようとしている。「ウエルカム」と迎え入れる私たちは、旅行者たちではなく、まずは、働き人であり、定住外国人であるはずである。(み)
 

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