Web Original
テニスコラム
リズムを崩すことを徹底してきたフェデラーに翻弄され、2戦目を落とした錦織圭。33歳の大ベテランに、王者の力を見せ付けられる結果となった。
photograph by AFLO
テニス特報

王者の警戒が示す、錦織圭の成長。
フェデラーが講じた「不利」ゆえの策。

秋山英宏 = 文

text by Hidehiro Akiyama

photograph by AFLO

「彼(錦織)はこれまで、相手が誰でもグラウンドストロークで優位に立てることを示してきた。簡単には倒せない相手だ」

 試合後のロジャー・フェデラー(スイス)の言葉である。ツアーファイナルに13年連続出場、6度優勝の“キング”は、錦織圭とのラウンドロビン(4選手による総当たり戦)第2戦に、並々ならぬ警戒心を持って臨んだに違いない。

 過去の対戦成績は2勝2敗。2011年、地元スイス・バーゼルでの初対戦では一蹴したが、'13年のマドリード、今年のマイアミと連敗。得意の芝の大会、6月のハレ(ドイツ)でフェデラーがようやく対戦成績をタイに戻した。

 直近の3戦では、フェデラーが錦織とのストローク戦を嫌がる様子があった。片手打ちバックハンドの泣き所である高い打点を錦織に突かれ、難渋した。レーザービームのようなストロークが錦織の逆襲の餌食となり、立ち往生する姿もあった。

 しかし、過去に味わわされた苦渋、そして24歳の若者への警戒心が、この試合ではプラスに働いた。

駆け引き、読み合いで錦織を翻弄したフェデラー。

 フェデラーの用意した武器の一つがサーブだった。記録したエースは7本。錦織にとって、威力やスピードが脅威だったのではない。フェデラーの組み立ての巧妙さに苦しめられた。

 試合直前の練習で、錦織が最後に行なったのが、ポジションを上げて攻撃的に打ち込むリターンだった。このコートサーフェスは球足が遅めで、高速サーブも大きな効果を持たない。現にミロシュ・ラオニッチ(カナダ)やトマーシュ・ベルディハ(チェコ)といったビッグサーバーが初戦で力を出せずに敗れている。錦織はフェデラーのファーストサーブに食らいつき、セカンドサーブを積極的にたたくことで、相手のサービスゲームを破ろうともくろんでいたはずだ。

 しかし、フォアサイドの角度をつけたゆるいサーブは、錦織をあざ笑うかのように大きく逃げ、これを警戒しているとセンターに速いサーブを打ち込まれた。

「(ある程度は)とれると思っていたが、ほとんどエースだったり、セカンドサーブもスピードを上げてきたり変化をつけられ、なかなか(前に)入っていく隙がなかった」

 と錦織。駆け引き、すなわちコースや球種の読み合いで後れをとり、リターン練習の成果を披露する場面も少なかった。錦織にブレークポイントのチャンスは3度あったが、これを一度も生かせなかった。

【次ページ】 積極性が空回りし、アンフォーストエラーが30本に。

このエントリーをはてなブックマークに追加
  • deliciousに追加
その他スポーツ トップへ ナンバーウェブトップへ

テニス特報 バックナンバー

<完全保存版> 中田英寿 ~日本サッカー “破壊”と“創造”~ 見つけよう私の健康ノウハウ「カラダStylen for MEN」
言わせろ!ナンバー最新の投稿
あなたが今、ドラフト1位候補の高校3年生だったら、どの球団に入りたい?
日本ハム

口うるさいナベツネ、OB連中が幅を利かす読売。熱狂的なファン、関西マスコミがうるさく、未だにタニマチの影響力が絶大な阪神。  …すべて読む

スターマンさん
2014/11/12 17:21
に投稿
ソフトバンク日本一! 年間MVP、あなたなら誰を選ぶ?
内川聖一

私が思うに、今年もホークスの選手で一番嫌なバッターだったし、野球の成績だけじゃない部分でもホークスの要に思えるので内川選手  …すべて読む

Nすっちさん
2014/11/12 16:34
に投稿
言わせろ!ナンバーについてお題をもっと見る
  • 岡田彰布氏、メルマガ絶賛配信中!
最新号表紙
865
11月13日発売
BASEBALL FINAL 2014
  • こだわりある男性が今こそ指名する名アイテムとは。~一歩先行くオーラを纏う~