Updated: Tokyo  2014/11/12 17:56  |  New York  2014/11/12 03:56  |  London  2014/11/12 08:56
 

衆院選、12月14日投票で調整へ、消費増税は1年半延期論

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  11月12日(ブルームバーグ):安倍晋三首相が2015年10月からの消費増税の延期を決断して衆議院を解散した場合、総選挙は12月2日公示-14日投開票の方向で調整される見通しだ。自民党の選挙対策に詳しい関係者2人が明らかにした。解散風はやまず、各議員は選挙に向けた準備を急いでいる。

消費税の再増税については、本田悦朗内閣官房参与や山本幸三衆院議員らが17年4月までの1年半延期を主張。同関係者のうち1人と他に自民党議員1人が、首相が増税を延期するならこの案を採用するとの見方を示している。

本田氏は今月12日、国会内で開かれた鳩山邦夫元総務相ら自民党の議員グループの会合で講演し、消費増税を決めた民主、自民、公明3党の合意は「アベノミクスとは何の関係もない」と指摘。持論の1年半延期をあらめて提案した。

第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは12日付のリポートで安倍政権は「順調な景気拡大の確認ができなくなったから、消費税再増税の計画には何らかの手直しを加えるという判断に傾きつつあるように思える」と指摘。延期のデメリットとして「財政再建のめどが見通しにくくなる」ことを挙げた。

安倍首相はこれまで7-9月期の国内総生産(GDP)などを参考に経済情勢を見極めた上で消費増税を年内に判断すると発言してきたが、日銀は10月31日に発表した展望リポートで14年度の成長率見通しを1.0%増から0.5%増に下方修正した。内閣府は今月17日に7-9月GDPの第1次速報、12月8日に第2次速報を発表する。

アベノミクス

安倍首相は今月11日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議後に北京で会見し、「解散のタイミングについては、私は何ら決めていない」と述べたが、国会議員の選挙を意識した動きは強まっている。争点には消費増税と安倍政権が進めてきたアベノミクスへの評価が浮かび上がってきている。

民主党の海江田万里代表は10日の記者会見で、安倍政権の政策について「一部の企業や一部の高所得の人たち、この人たちは確かに恩恵があったかもしれないが、圧倒的な多くの国民の暮らしは果たして良くなったのか。こういうことについてしっかり私たちは議論をしたい」と指摘。消費増税延期なら「アベノミクスの失敗ではないかとこれまでも言ってきたし、これからも言っていこうと思う」と述べ、経済政策について論戦を挑む考えを示している。

本田氏は12日の鳩山元総務相らの会合での講演で、増税延期はアベノミクスの失敗とする指摘は「一つのどう喝であり、論理的に完全に破綻している」と反論。アベノミクスは「日本を救う唯一の経済政策パッケージ」と主張した。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 広川高史 thirokawa@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net; Andrew Davis abdavis@bloomberg.net 宮沢祐介, 浅井秀樹

更新日時: 2014/11/12 15:50 JST

 
 
 
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