マルチーズ18匹放置 佐賀県内8か所、いらない犬の遺棄横行か
2014年11月12日6時0分 スポーツ報知
佐賀県の路上や公園などに、生きた小型犬のマルチーズ計18匹が放置され、相次いで保護されていたことが11日、県への取材で分かった。同一の繁殖業者が分散して捨てた可能性もあり、県警は動物愛護法違反の疑いで捜査を始めた。
マルチーズは白くて長い毛が特徴で、人気が高い犬種。県によると、10月19日から11月5日にかけ佐賀県内8か所で計18匹が見つかり、警察や保健所に届けられた。
年齢は推定1~8歳で、いずれも首輪はついておらず外傷はなかったが、体はやせ細り、爪も伸びたまま。右後足の付け根に腫瘍ができた影響からか、起きあがれない状態で発見された犬もいた。18匹のうち13匹は新たな飼い主が見つかり、残る5匹も「引き取りたい」との申し出が多く届いている。
また、動物愛護団体「ハッピーボイス」(佐賀市)によると、先月中旬から現在にかけ、県内で個人が保護したマルチーズが3匹おり、神埼市内のコンビニエンスストアの駐車場には2匹の死骸が遺棄されていたという。
栃木と群馬両県の山中などでも、今年の春から夏にかけて生きた小型犬が多数放置されているのが見つかっており、栃木では、10月末から犬の死骸が約70匹発見された。日本愛犬家協会(京都市)の小山芳樹代表理事は「今後は他府県でも同様のケースが発生することはあり得る」と指摘する。
昨年9月施行の改正動物愛護法は、業者などから犬や猫の引き取り要請があっても、相当な理由がある場合を除き自治体が拒めるようにした。このため、不用な犬の遺棄が横行している可能性があるといい、小山氏は「行政・自治体の取り締まりを厳しくしていくしかない」と訴えた。