３０歳予備校生、１９歳予備校生刺す　代ゼミ小倉校自習室で

　大手予備校・代々木ゼミナールの小倉校（北九州市小倉北区）で１１日正午ごろ、同校に通う男（３０）が同校生徒の男性（１９）を包丁で刺す事件が発生した。男性は上半身に数か所の刺し傷を負って重傷。福岡県警は刺した男の身柄を確保し、２人の間に何らかのトラブルがあったとみて殺人未遂容疑で調べを進めている。

　福岡県警小倉北署の調べによると、男性が刺されたのは校舎４階にある自習室で、室内からは凶器とみられる包丁が見つかった。自習室には当時、生徒ら計十数人がいたという。刺された男性は上半身に数か所の刺し傷を負い、重傷となっている。

　事件直後、同校関係者が「生徒が生徒を刺した」と１１０番。さらに被害者の友人が１１９番した。男は事件後、同校近くにある交番に出頭。手にけがをし、搬送先の病院で治療を受けているため、県警は回復を待って事情を聞く。

　２人はともに北九州市内から通学。県警によると、男は今年４月から同校に通い始めたという。県警は男が事前に包丁を用意した上、男性に対して強い殺意をもって刺した疑いがあるとみている。容疑が固まり次第、殺人未遂容疑で逮捕する方針だ。

　現場はＪＲ小倉駅の南約６００メートルで、ビルが立ち並ぶ一角。校舎前には規制線が張られ、周囲はお昼時ということもあり、様子を見に来た通行人らで一時騒然となった。同校に通う２０代の男子生徒は「まさか自分が通う予備校で事件が起きるとは思わなかった」と驚いていた。

　小倉校は事件の発生を受け、１１日の授業をすべて休講としたが、１２日からは通常通り講義を行うとしている。

　代ゼミは受験生減少のため全国での事業縮小を決めており、小倉校も来年３月末で閉鎖される予定となっている。