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ブライアン・メイ “クイーン未発表曲”への思い
11月12日 13時21分

ブライアン・メイ “クイーン未発表曲”への思い
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今なお世界中のファンを魅了するイギリスのロックバンド「クイーン」の未発表曲が、全世界で発表されました。ボーカルのフレディ・マーキュリーさんが亡くなって23年。今回初公開されたのは1981年ごろの曲で、フレディさんが若き日のマイケル・ジャクソンさんとデュエットしています。
埋もれていた2人の歌声を最新の技術でよみがえらせたクイーンのギタリスト、ブライアン・メイさんにNHKが単独インタビューしました。クイーンの音楽満載の動画もぜひご覧ください。

互いを刺激し合い歌うふたり

未発表の曲は「THERE MUST BE MORE TO LIFE THAN THIS(邦題「生命の証」)」というタイトルで、フレディ・マーキュリーさんとマイケル・ジャクソンさんがデュエットを披露しています。
曲が録音されたのは、マイケルさんが「スリラー」で大ヒットする前の1981年ごろで、「愛にあふれた世界を夢見て僕は生きている/僕らがみんな平和に生きることができる世界」と歌われています。
ブライアン・メイさんが中心となり、最新の音響技術でよみがえらせ、今回、全世界に発売されたクイーンの最新アルバムに収録されました。
ブライアンさんはこの曲について、「古い音源は驚きだった。テクノロジーのおかけでレコーディング直後のように、全く古びていなくて、最高だね。これが絵画だったら、すっかり色が落ちていたかもしれない」と語り、2人のデュエットについては、「マイケルとフレディがお互いを刺激しあっている様子が音から伝わってくる。どちらもアーティストとして、歌い手として、偉大な存在だからね。マイケルはコンサートにも来てくれていたから僕たちはマイケルのことをよく知っていたんだ。マイケルは、すてきな青年だった」と語りました。
さらにもう1曲発表した「ユア・ハート・アゲイン」については、「この曲は、ほぼできあがっていたけど、キーや技術的な部分で問題があるように思えて、そのままお蔵入りにしていたんだ。改めて聴き直してびっくりしたよ。当時いろんなキーやアレンジで試していたから、(リリースできるだけの)素材や、特に重要なフレディの声も、十分にあったんだ」と明かしました。

「クイーンは絵筆持つ4人の画家」

1973年にデビューしたイギリスのロック・バンド「クイーン」。
フレディ・マーキュリーさんの美しいボーカルと豊かな旋律が日本をはじめ世界中のファンを魅了しました。
クイーンには独特の曲作りへのこだわりがあったといいます。
「世界中で今でもみんながクイーンを聴いてくれて、本当に恵まれていると思う。なぜ?僕にも分からない。たぶん、一般の人と同じように『話している』からかな。僕らはロックスターのもの言いはしない。誰もが持つ夢や希望、失望や悲しみを歌っている。曲作りでもいつも4人が競い合って来たということもあるかもね。絵筆を持つ“画家”が4人いて、みんな意見を曲げなくて、実際は戦いになることもあった。たいていは誰か1人がアイデアを持ってきて、みんなの前に差し出す。すると全員で、俺は気に入った、気に入らない、やるべきだ、やめようというやり取りが始まる。元のアイデアにほかのメンバーがいろいろなアイデアを付け足して、どんどん姿が変わっていくんだ」(ブライアンさん)。

“最高のボーカリスト”フレディ

名曲「伝説のチャンピオン」をレコーディングしたときの秘話も語ってくれました。
「フレディはすごく協力的で、コンビを組むには最高のボーカリストだった。ギターにも“声”があることを理解していたからね。だから彼の声と僕のギターには、常に相通じるものがあった。伝説のチャンピオンをミックスしたときのことを今でも覚えているよ。曲の最後のほうに、僕はフレディのボーカルと対立するようなギターのフレーズを入れた。それぞれのトラックをミックスするときに、手で音量を上げ下げしてたんだ。フレディに『ボーカルが消えちゃうぞ』と言ったら、『いや、ギターとボーカルをぶつけよう。そのほうがテンションが高まる』と言ったんだ。結局、ギターとボーカルのバトルみたいになったんだ」(ブライアンさん)。

日本語の歌に込めた思い

親日家として知られているブライアンさん。
クイーンは、フレディさんが亡くなった後も、別のボーカリストを迎えて活動を続け、この夏も来日公演を行いました。
クイーンの歌の中には、ブライアンさんが感じた日本の印象を曲にした「手を取りあって」という日本語の歌詞がついたものもあります。
「最初から日本は特別な場所だった。最初の来日は武道館でのライブのためだったけど、ビートルズのアメリカ上陸かと思う騒ぎだったよ。日本で特に好きなのは、京都などの日本庭園で、美しい庭園の造作に心が安らぐんだ。日本人が生けるすべてのものに敬意を払うところに共感するよ。僕らは日本の精神に共感しているし、それは当時もこれからもずっと変わらない。お互いのことを意識してずってとつながっていよう、『手を取りあって』が歌っているのは、そういうことなんだ」(ブライアンさん)。
最後に日本のファンへのメッセージをくれました。
「僕たちは今、人生の秋といえる時期にあるけれど、アルバムには僕たちの道のりすべてを入れたから、楽しんでもらえるといいな。また日本で会いましょう!」(ブライアンさん)

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