時々、母子健康手帳の予防接種欄が真っ白だったり、随分昔に接種開始をしたけれど以後が継続されていないお子様に出会うことがある。何か考えがあってその状態になったのか、そのことで医師に尋ねてみたいことはないかとお尋ねしてみると、答えは様々で、忘れていたというのから、副反応が怖いから、死亡例がでたからだとから、なんとなく恐いなどと答えが返ってくる。飛行機に乗ったことがありますか?あります。飛行機が落ちるかも知れないと考えたことがありますか?ありません、あります、答えは二つの何れかである。飛行機が落ちたのをテレビで観たことがありますか?ほとんどの人があると答えられる。何故、飛行機には乗れるのか、中には考え込んでしまわれる方もある。飛行機は落ちないというのは、頻度が低いだけで、その可能性が自分にも及ぶだろうと考えると怖くて乗れないだろうと思う。予防接種は飛行機とは違うと云われそうだが、似たようなものではないだろうか。おたふくかぜは耳下腺が腫れて数日痛いだけだと思っていると、軽い病気だからワクチンは不要ということになる。ところが、ウイルス性髄膜炎のなかで最も高頻度であること、難聴をおこすことがあること、嘔吐、頭痛などの髄膜炎の症状が無い人でも脳脊髄液を検査すると異常を呈する人があり、ウイルスの存在を調べると陽性者が沢山いること、睾丸炎、卵巣炎などを起こすこともお話をすると、知らなかったと云われる。昔、沖縄県で風疹が流行したときに沢山の先天風疹のこどもが生まれて、県立の聾学校を作り、卒業したら閉校されたことを話すと驚かれる、若し、皆が予防接種をしなければ同様のことが起こる。予防接種をしなければどのようなことが起こるのかをワクチン登場前の状態で調べてみると、病気による悲惨さが理解できる。ワクチンを接種して起こるマイナス面が皆無なんていうものは無い。なにかしらある。それと実際に病気に罹ったときのことを比較して、考えてみると、少し、選択をする基準がかわるのではないだろうか?ワクチンには完全な安全性を期待して、病気に罹った時の怖さを考えなければ、考えて居る間に、罹患してしまうかもしれない・子供を病気から護るにはどんな方法があるか、正しく迷ってみては如何だろうかと思う。何もわからないけれど、お上がやれと言うからやるというひとよりも、迷っている親御さんの方が子供のことを考えているともいえる。お話をしていると、自分がなぜ迷っているか、なぜ、何を怖がっているかに気付かれる親御さんもいらっしゃる。一度、口に出してみると自分がなにを考えているかが明らかになることがある。馬鹿だアホだと罵られたら癪だろうが、話して見られることをお勧めしたい。考えるヒントくらいは差し上げることができると思う。
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