昨晩「ワタミ店舗閉鎖今年度中に102店舗」というニュースが気になりました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141111/k10013125451000.html
なぜなら私は大学卒業後ワタミに入社し6年間ワタミで働いた元店長だからです。その経験を踏まえて言えることは102店舗撤退しようが社員の負担は何もかわらないだろうということです。
ワタミが公開している最新の上期決算説明会資料を読みました。
http://www.watami.co.jp/ir/pdf/20141111.pdf
私は毎回ワタミの決算説明会資料を読んでいるのですが、前回は社員の負担を軽減するために60店舗の閉鎖を計画発表していました。しかし現状は社員の負担軽減のためではなく売れなさすぎて102店舗閉鎖せざるを得ないという状況です。
2014年3月時点1店舗あたりの社員数1.86人が2014年9月時点600店に減少し、1店舗あたりの社員数は2.09人に増えました。社員数が1人から2人のなったのだから確かに改善されていると言えます。
しかし決算説明書によると102店舗撤退しても1店舗あたりの社員数は2.5人という予測です。
2.5人って… 人間半分に切れますか?
3.0人以上にならないと意味がありません。
なんでもっと撤退しないの?とツッコミたいところです。
そしてワタミの盲点は社員のことしか考えていないっていうところ。どこの外食チェーン店も普通は社員不足で店舗に社員は1人か2人しかいません。お店はほとんどがアルバイトの人たちで成り立っています。そしてアルバイトの人たちが社員並みの働きをしてくれてお店が営業できているのです。社員の負担軽減ばかり取り上げられているけど社員並みに働いてくれるアルバイトの負担軽減は考えられていない。
ワタミが今年3月27日に発表した
「外部有識者による業務改革検討委員会」
の調査報告書を踏まえた当社の対応について
によると
人員不足に対する短期的な一つの解決策として、全体の店舗数の約1割相当にあたる 60店舗を 2014年度中に閉鎖、撤退することにいたしました。店舗数の削減により、約 770 名の従業員(100 名の正社員、1 人 1 日 8 時間換算で 670 名のアルバイト)を近隣の他店舗に振り分けることで、残存店舗の人員不足を補っていくことが可能となります。この再配置により、1 店舗あたりの平均社員人数は現状の 1.66 人から 1.83 人(目標 2 名)となる見込みであり、引き続き改善に努めてまいります。
つまりこれは閉店した店舗の670名のアルバイトを近隣店舗に割り振りアルバイトの在籍数を増やして社員の負担を軽減するという思惑ですがそんなに上手くいくわけがないと思っていました。例えば通勤の利便性を考えて地元の和民を選んで働いてくれている人が時間をかけて電車を使ってわざわざ近隣店舗に行ってくれるか?という話です。電車を使う分、移動時間が増えるわけです。交通費もかかるわけです。それは店の経費の増加にもなります。アルバイト全員が快く他店へ移籍してくれるという前提のもとの試算…
ずいぶんアルバイトを都合よく考えていませんか?
ワタミはいつからそんな会社になってしまったのでしょう。悲しい…
私はワタミを退職して3年以上たちますが社員時代からの持ち株会を今でも保有していますし株主として今後もワタミを応援していきます。決してワタミを批判したいわけではありません。建て前的な改善策ではなく本気で労働環境を改善する策を実行してほしい。今現在も働かれている先輩社員や後輩社員、アルバイトの置かれている苦境をとても心配しています。
本当に社員とアルバイトの負担軽減を考えるのならば私は以下のようにします。
①ワタミ全店看板変更「和民」「わたみん家」を捨てブラック企業のイメージ払拭。
②ワタミ全店終電時刻閉店。
ワタミのより良い労働環境改善の提案については、また明日へ続きます。