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大阪政界に波紋、年内解散 急浮上 都構想で懸念

2014年11月12日

 東京・永田町で11日に急浮上した年内解散・総選挙の観測は、大阪都構想をめぐる攻防が続く大阪政界に波紋を広げた。橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会は都構想の実現を念頭に住民投票を直接請求で実現する方針だが、年内に解散・総選挙されれば、直接請求に必要な署名活動は「鈍る」と懸念する維新幹部。これに対し、自民、公明などの野党は、維新の動きが「止まる」と反転の機会をうかがった。

 「(解散・総選挙の)結果によっては府議選と大阪市議選に影響がないわけではない」。維新府議団幹部は、衆院解散をめぐる国政の動きに注視し、「(直接請求のための)署名活動の動きが鈍るのでは」と危機感を募らせた。

 「これで橋下市長、松井一郎知事の動きも止まるのではないか」と好機と捉えたのは、大都市制度の在り方をめぐって大阪維新と対立する自民党府連幹部の大阪市議だ。

 橋下氏は、住民投票を来年4月の統一地方選と同時実施するのは困難との認識を示しており、公明党府本部幹部の大阪市議は「統一地方選が終わってから住民投票というのは興ざめだろう」と分析。急浮上した年内解散については「(都構想推進の)歯止めになる」と評した。

 「総選挙で維新の勢いが衰えれば、府議会と大阪市議会で維新の過半数獲得はさらに遠のく」と語ったのは、共産党府委員会の関係者だ。

 しかし、仮に年内に解散・総選挙が実施されたとしても、その次に控える統一地方選に維新以外の政党が党勢拡大を果たす保証はない。

 2011年の統一地方選挙で逆風が吹き荒れ、惨敗した民主党府連の元役員はこう語った。

 「衆院で議席を増やしたとしても、地方議会での議席数を復活させるには国政と地方がそれぞれにしっかりと取り組まなければならない」