容環協だより 48号

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容環協だより48号のもくじ

年頭にあたり

新年明けましておめでとうございます。
旧年中は当協議会の活動に対し多大なご指導・ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
振り返れば、昨年は環境問題が全世界規模で一層論議が活発になり、一般の方々にも浸透した年であったと感じています。
中でも、温室効果ガスによる地球温暖化を科学的・技術的に評価してきた機関「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」と、映画「不都合な真実」などを通じ環境問題をわかりやすく訴え続けてきたゴア前米副大統領がノーベル平和賞を受賞した事は、環境問題は世界中が共有しなければならない課題である事を改めて示したのではないでしょうか。
さて、一方では、2008年を迎えるとともに、いよいよ京都議定書による温室効果ガス削減の約束期間が始まりました。
7月に実施される主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)では、2013年以降の地球温暖化対策策定への道程を定めるロードマップについて話し合われる予定となっており、環境先進国を自負するわが国は、議長国としてのリーダーシップを発揮すると同時に、その実績も問われてきます。
また、国内でも、容器リサイクル法の改正・施行や、日本経団連が地球温暖化対策について、産業別に目標を定める「セクトラル・アプローチ」やポスト京都に参加する途上国への資金・技術支援などを盛り込んだ提言を発表するなど、当協議会を取り巻く情勢にも大きな変化がありました。
当協議会でも環境自主行動計画に基づき「3R」活動を主体とした循環型社会の構築に向けた活発な活動を推進しており、2010年を目標年度とする飲料用紙容器に係わる環境負荷削減に向けた行動計画「プラン2010」を独自に策定し、行動を開始しました。
現在、紙パックの回収率は2006年で37.4%となりました。
しかし、「プラン2010」に掲げている目標は2010年度に回収率50%の達成です。
当協議会では、今後とも「全国牛乳パックの再利用を考える連絡会」をはじめとする関係団体や紙パックのリサイクルに係わる皆様との協働・連携をますます深め、啓発運動やPR活動を通じて、回収率の更なる向上に向けた活動を充実させたいと考えています。
ご承知の通り、紙パックは再生が可能な森林資源を有効利用している環境にやさしい容器であり、使用後は「洗って、開いて、乾かして」分別回収することにより良質な資源として再利用が可能です。
今後とも当協議会に対する会員・関係団体の皆様のご協力・ご支援をお願い申し上げるとともに、皆様のご健勝とご繁栄を祈念し、新年の挨拶とさせていただきます。

牛乳パック出前授業in筑西市

◆開催日2007年9月4日(火)
◆開催学校筑西市立伊讃小学校 【茨城県筑西市】

4年生53名対象に、イラストやクイズを使った楽しい授業を行い、子供達も興味深く聞き入っていました。先生にも子供達同様に葉書作りの体験をしてもらいました。

牛乳パック出前授業in鴻巣市

◆開催日2007年10月12日(水)
◆開催学校鴻巣市赤見台第一小学校 【埼玉県鴻巣市】

4年生66名に合同の授業を行いました。リサイクルの現状や森林管理の話を勉強した後に紙すき体験等、充実した出前授業となりました。 

牛乳パックリサイクル講習会in桑名市

◆開催日2007年10月27日(土)
◆開催場所資源回収ステーション施設「クルクル工房」【三重県桑名市】

30名の参加者には、紙パックリサイクルの歴史や現状の説明を受けた後、手すき葉書づくりの体験をしてもらいました。 

牛乳パックリサイクル促進地域会議in福島

◆開催日2007年11月6日
◆開催場所郡山市中央公民館4階第1講義室 【福島県郡山市】
◆参加者自治体、地元乳業メーカー・牛乳協会、古紙事業者、流通事業者、市民団体、主催者 計35名

福島県郡山市で、本年度第2回目の牛乳パックリサイクル促進地域会議が開催されました。福島市・郡山市・会津若松市・田村市・二本松市・棚倉町と多数の自治体に加え、乳業メーカー、回収事業者、流通、市民団体と多彩なメンバーによる意見交換がなされました。 主な報告や問題提起の要点を下記に記します。

●事務局

今回の容リ法のポイントを下記の通り説明。

  1. 単なるリサイクル法から3R法への転換
  2. 社会全体のコストの効率化
  3. 国・自治体・事業者・国民等すべての関係者の協働

また、福島県の県民1人あたりの牛乳パック回収量は年間約200gで、全国平均の124gを上回ると評価した。 2010年に50%回収目標達成のため策定した「プラン2010」の取組みポイントを説明。

  1. 牛乳パック以外の紙パックも回収促進
  2. 500ml以下の小容量パックの回収促進
  3. 回収ボックスの設置による回収拠点のさらなる拡大

●パック連

牛乳パック再利用運動は、子供達に物を大切にする心を伝えたいという思いから始まったもので、リサイクルだけが目的ではない。 一手間かけるからこそ、良質な再生品に生まれ変わるという日本独自のリサイクルシステムへの理解と協力を求めた。

●福島県農林水産部

福島県循環型社会形成計画の一環として「もったいない50の実践」を進めている。 2006年度の回収量は421トンで、前年比256%増という大幅な増加となった。 学乳パックについては農畜産業振興機構の補助制度を利用し、県協会を通じてリサイクルに取り組む学校に資材の無料配付をしている。

●福島市

今年から全市的に学乳パックのリサイクル取組みを始めた。 家庭から出る牛乳パックの小中学校への持寄りにより回収されたパックは、ほぼ100%リサイクルされている。 他の資源に比べ資源化率が高く、中間処理コストが掛からないのが大きな特徴である。 

●会津若松市

行政回収と資源集団回収の補助の両面で回収促進をしている。 今後の課題は事業系一般廃棄物の分別促進。 古紙品目の1つとして行政回収を行うとともに、町内会や子供会などの団体による資源集団回収も奨励している。

●二本松市

1991年から紙パックを含む11分別を実施している。

●棚倉町

作年度末から各学校での取組みが始まり、回収ボックスを積極的に活用している。 子供達は楽しみながらリサイクルを実践している。

●福島県牛乳協会

学校でのリサイクルは当初あった問題も次第に工夫により解決され、児童にも「牛乳パックは捨てるものではない」という意識が浸透され、教育効果が表れているようだ。 全体のコストを下げるためには牛乳容器を紙にする方が望ましく、そのためには牛乳パックのリサイクルについて教育現場の理解と協力を一層求めていきたい。

●ヨークベニマル【スーパーマーケットチェ−ン店】

全店に回収ボックス設置。 回収された牛乳パック→古紙問屋→製紙メーカーでトイレットペーパーに再生→ヨークベニマルの店舗で販売ということで、リサイクルの輪が完結している。 回収量も増加傾向にある。 問題点は、回収ボックスにゴミや洗っていないパックが混入。 また開き易い工夫は出来ないかという質問に対して、牛乳パックは中身の品質保持が最大の使命、容器の強度に影響を与える変更は非常に難しいとの返答がなされた。

●(株)こんの【古紙問屋】

積極的にリサイクルに取り組んでいるが、ある程度の量がまとまらないと引き取りに行くことが難しいので、なんらかの工夫が大切。

●消費者グループ

−最近、ゴミの分別の取組みを始め、リサイクル問題に関心を持つようになった。 ゴミ処理場の見学などを通じ、牛乳パックが大切な資源であることがよくわかった。 −リサイクルの結果が目にみえれば、子供達は喜んで協力するようになる。  

牛乳パックリサイクル講習会in春日市

◆開催日2007年11月14日(水)
◆開催場所春日市役所大会議場
◆後援福岡県春日市

65名が参加。北米・北欧の森林管理状況や牛乳パックリサイクルの最新データの報告をしました。 春日市からは回収促進に向け、さらに分別周知の徹底や回収ボックス設置拡大を進めるとの報告がありました。

牛乳パックリサイクル出前授業in高知市

◆開催日2007年11月30日(金)
◆開催学校高知市立鴨田小学校 【高知県高知市】

鴨田小学校は、(財)省エネルギーセンター省エネ教育推進モデル校として、環境教育に力をいれている小学校で、180名の4年生対象に大規模な出前授業となりました。 紙パックを使った「びっくり箱」作りに大いに盛り上がりました。

第7回「牛乳紙パックで『遊ぶ学ぶ』コンクール」受賞作品決定

「牛乳紙パックで『遊ぶ学ぶ』コンクール」は今年度で7回目となりました。作品の応募件数は年々増え、今回は昨年度の3倍近い8,081点と、一層の盛り上がりをみせ、また初めて全国47都道府県全てからの応募がありました。 審査委員長である東京国立博物館新任館長の佐藤禎一氏をはじめ、全国牛乳容器環境協議会の山登正夫会長からなる10名の審査員で、一次審査を通過した30点の作品厳正に審査した結果、下記の作品が受賞しました。

最優秀賞
大阪府 小学2年 山本陽菜さん 「ぎゅうにゅうパックのいるか」
優秀賞
埼玉県 小学3年 須ケ間博さん 「川越の太田道灌の山車」
優秀賞
青森県 小学6年 三村拓矢さん 「ビッグ野球ばん」
全国小中学校環境教育研究会賞
青森県小学3年 三村春菜さん 「赤いじょうろ」
全国牛乳容器環境協議会賞
京都府 小学4年 松田郁子さん 「リサイクルダストボックス」
全国牛乳パックの再利用を考える連絡会賞
愛知県 小学2年 村上夏花さん 「何人で食べようかな?」
テトラパック賞
茨城県 小学5年 増田晃征さん 「F1レーシングカー」
日本酪農乳業協会賞
兵庫県 小学3年 三枝弘典/万佑子さん「白クマとアザラシのリサイクルボックス」

見事最優秀賞に選ばれた大阪府の小学2年生山本陽菜さんの作品「ぎゅうにゅうパックのイルカ」は、四角く固い牛乳パックから美しい曲線を作り上げた技術と、根気強く作った努力が高く評価されての受賞、また京都府の4年生松田郁子さんの作品「リサイクルダストボックス」は、牛乳パックの丈夫さを活かした実用性のある作品ということで、全国牛乳容器環境協議会賞を受賞しました。
上位8点の受賞作品は「エコプロダクツ2007」での全国牛乳容器環境協議会内のブースに展示され、最終日には受賞者を招待し、盛大な表彰式を開催しました。
表彰式の最後に受賞者代表として最優秀賞に選ばれた山本陽菜さんの挨拶があり、工作過程の難しい点や作品への思い、また受賞の喜びなどを発表し、大きな拍手を浴びました。
受賞作品は容環協の子ども向けホームページ「牛乳パックン探検隊」に紹介されております。

 

エコプロダクツ2007

12月13日(木)〜15日(土)に東京ビッグサイトで開催された国内最大級の環境展である「エコプロダクツ2007」に出展しました。 連続4回目の出展となった今回は、年々増える小中学生の見学者に、より親しみやすく環境の勉強をしてもらえるようにと容環協キャラクター「牛乳パックン」の立体像を作製し、一緒に記念写真を撮れるコーナーを設置したり、「牛乳パックン」が解説する動画を流したりと、数々の工夫を凝らした展示を行いました。 また、全国各地の特色あふれる紙パック、リサイクルによって生まれ変わった再生品やパネルの展示、各コーナーを順に回ると答えられる「パックンクイズ」、全国パック連の協力による「手すきはがきづくり」を実施し、常に来場者の賑わうブースとなりました。

容環協第45回理事会

第45回理事会が、昨年12月20日(木)に乳業会館にて開催されました。 理事及び監事の補選では前任者の後を受けて、下記5名の方々が新たに就任されました。

森永乳業(株)専務取締役生産本部長宮原道夫氏
(社)全国農協乳業協会専務理事小林宏三氏
凸版印刷(株)パッケージ事業本部第二営業本部長   穴水芳光氏
大日本印刷(株)包装事業部包装第四営業本部長三上隆博氏
協同乳業(株)常務取締役生産本部長齋藤英男氏

また、平成19年度の事業実施状況・収支状況、プラン2010及び3R推進団体連絡会の事業実施について報告されました。


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