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印南敦史印南敦史  - ,,,  07:30 AM

「社内の打ち合わせ」について、佐藤可士和が考えていること

「社内の打ち合わせ」について、佐藤可士和が考えていること

佐藤可士和の打ち合わせ


打ち合わせの質を高めれば高めるほど、アウトプットの質も上がっていき、結果的に仕事の質は高まります。
何気なくこなしてしまいがちな「打ち合わせ」という行為にこそ、仕事の質を高める秘訣が隠されているのです。(「はじめに」より)


そして打ち合わせとは、とても重要なクリエイティブの場。打ち合わせ自体がアイデアを考える場であり、プロジェクトの方向性を決める場。

そのような観点に基づいて書かれたのが、『佐藤可士和の打ち合わせ』(佐藤可士和著、ダイヤモンド社)。アートディレクター/クリエイティブディレクターとして多くの実積を持つ著者が、独自の視点に基づいて打ち合わせのあり方を説いた書籍です。

心構えから気づかいまで、打ち合わせを多角的に掘り下げた内容。きょうはそのなかから、社内コミュニケーションについて書かれたRULE 9「社内の打ち合わせはなるべくやらない」に焦点を当ててみます。


社内打ち合わせが必要なのは、コミュニケーション不足の証拠


著者のオフィス「サムライ」では、いつも30以上のプロジェクトを抱えながらも、社内打ち合わせはしないのだそうです。ただし重要なポイントは、常時、密にコミュニケーションをしているということ。たとえばクライアントや社外スタッフとの打ち合わせの合間に、少し時間を空けておき、その時間を使ってスタッフに声をかける。社内打ち合わせが必要になるのは、裏を返せばコミュニケーションが不足しているということ。しかし常時コミュニケーションしていれば、打ち合わせは必要なくなるという考え方です。

そして、もっともやってはいけないのは、任せきりにしてしまうこと。部下に仕事を委ねたあと、なにも進捗の確認をしないのは極めて危険。相応の時間を経て部下から報告をしてもらったら、イメージしていたものとは全然違っていた、というのはよくあること。それでは時間の無駄になってしまうので、避けなければならないというわけです。(226ページより)


リーダーに不可欠な「オープンマインド」と「タイミング」


社内において、著者はスタッフが働いている場にふらりと行き、その場で進捗状況を確認していくそうです。そのとき大切なのは、オープンマインドで接することと、いつでもウェルカムな姿勢でいること。「そうでないとスタッフは声をかけづらいし、こちらもカジュアルに声をかけられないから」というのがその理由です。

もうひとつ重要なのは、スケジュールをきちんと把握し、タイミングよく声をかけていく、あるいは声を掛けてもらうようにすること。ただ、声をかけるのが早すぎるのもよくないので、どの段階でスタッフに指示を出すかは、常にいろいろ考えているといいます。社内でわざわざ時間をとって打ち合わせをしているのは、盛り上がっているスポーツの試合の最中に「タイム」をとってしまうようなもの。流れが止まってしまうことは大きなリスクなので、コミュニケーションでは常に「試合」を止めないようにしているのだといいます。(230ページより)


同じ会社なのだから、気づかいは不要


ある程度のフォーマルさが求められるクライアントとの打ち合わせとは違い、社内は基本的に身内。だから、カジュアルでいいのだと著者はいいます。そしてそれが、流れを止めない仕事を可能にするのだとも。具体的には、時間を短縮するために内線電話を活用してスピーディーに仕事を進めているそうです。

また、何人かで集まって話をしたいときは、思い切って立ち話にしてしまう。わざわざ打ち合わせ、という雰囲気にせず、立ち飲み感覚で打ち合わせてしまおうというわけです。(235ページより)


「クリエイティビティ」と「ビジネススキル」


「サムライ」では、仕事のスキルを大きく2つに分けているのだといいます。まずひとつは、クリエイティビティ。理屈抜きで人の心を動かす魅力的なデザインができるか。新しいアイデアが考えられるか。ひらめきや感性はあるか、ということ。広い意味で、クリエイターとしてもっとも大事なこの能力を磨くことが最重要だと、スタッフに伝えているのだそうです。

そしてもうひとつが、ビジネススキル。ビジネススキルはクリエイティビティとは違いきちんと努力すれば必ずアップするもの。クリエイターはこの能力をおろそかにしがちですが、ビジネスの現場で仕事をしている以上は必要不可欠。「クリエイターだからビジネススキルはわからない」ではいけないというわけです。(238ページより)


無駄は10%未満


著者が現在の仕事のスタイルをつくり上げていく過程でインスピレーションを受けたのは、インターネットだったそうです。具体的には、最初から完成形にせず、オープンにしてプロセスを共有するという姿勢。「こっちのほうがいい」というようなことを常にいえる環境にする。固まってしまう前に見られる、聞ける環境をつくるということ。結果的に仕事のスピード感は速くなり、「無駄は10%未満」だと感じることができているのだとか。

加えて、「どうすることがもっとも効率的なのか」を常に考えるようにと、社内にメッセージしているそうです。そして同じように打ち合わせについても、「どうすれば、もっとも効率的なものにできるのか」、常に考えるべきだと主張しています。(241ページより)


カジュアルにできるところはカジュアルに


効率を高めるためにも、社内の打ち合わせやミーティングを見なおしてみるべきだと著者は記しています。打ち合わせが10件あったら、もしかすると何件かは電話やメール、立ち話で済んだかもしれない。だからいっそのこと、社内でのフォーマルな打ち合わせを禁止にしてしまうのもひとつの方法。

わざわざ会議室をとって時間をかけて話し合うよりも、隅っこの机などでパパッと打ち合わせたほうが、意外にいいものになったりするもの。打ち合わせ然としていないからこそいいアイデアが生まれるわけで、社内なのに形式張ると、それだけで窮屈になってしまう。しかしそんな状況からは、イマイチな結果しか生まれない。

だから、社内打ち合わせはしないのが理想。しなければならないのなら、形式張ったものにはしない。そうした環境作りや雰囲気づくりを意識的に行なっていくのが、リーダーや上司の役割。それができるかどうかが、仕事の効率を大きく買えるカギだと著者は結論づけています。(244ページより)



ビジネス書は数あれど、「打ち合わせ」という角度から攻め込んでいるところが本書のオリジナリティ。結果的にはそれが、大きな説得力につながっています。

(印南敦史)

 

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