モードダイヤルの「A」や「Av」といった「絞り優先モード」を使っていく上で覚えなければいけないのがレンズのF値と言われるものです。
F値が1に近い低い数字、 F1.4やF3.5などは「明るい」と表現されます。ちなみに最も低いF値(開放F値)はそのカメラに装着しているレンズによって異なります。単焦点レンズを例にとると、F1.4のレンズならF1.4まで、F2.8のレンズならF2.8まで開けることができます。そしてF値を小さい数字に変更することを、絞りを「開ける」と言います。
こうした明るいF値では、背景をぼかすことができます。また室内など、多少暗い環境でも、速めのシャッタースピードで撮影できるため、手ブレのリスクを軽減できたりします。
F8やF11など、数字を大きくすることを「絞る」と表現します。
絞りの数字を大きくすることにより、取り込む光の量が少なくなるので、1枚の写真を撮るのにより時間がかかる(シャッタースピードを遅くする必要がある)ようになります。夜景撮影時などでは三脚が必要になったりしますが、ピントが合う範囲が広くなるため、風景写真や商品写真の撮影などには“絞って”撮るのがおすすめです。
では、どんなときに絞りを変えたらいいのでしょうか。絞りを開けるときと絞るときのイメージは、「どんな被写体か」で判断していくと分かりやすいと思います。
例えば1点を見せたいケースの場合は開いて(背景などをぼかして)、全体を見せたい夜景や風景などであれば絞る感覚を覚えていくといいでしょう。
慣れてきたら「自分は今こんな雰囲気の写真が撮りたいっ!」というイメージが出てくると思います。そう思ったときに適度なボケ感や最適な絞り値がイメージでき、自然と撮りたい写真が意図通りに撮影できるようになってくると思います。
次回からは効果的な絞りの使い方を「開ける編」「絞る編」に訳けて、実例ごとに紹介していきたいと思います。
MAKOTO TSURUTA(つるた まこと)
元『週刊ゴング』カメラマン。スポーツで写真を学び、その後メーカー担当として首都圏量販店に常勤し、一眼レフカメラの販売を担当。現在Webプロモーションを得意とする活動の傍ら、写真をさらに楽しむコンテンツサイト「PHOTOWORK」http://photowork.jp/を運営中。個人サイトはhttp://one-cut.net/
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