廃止された「うめきた」の貨物駅跡 将来は再び鉄道の要衝に?

2014年11月6日 09時26分 (2014年11月12日 05時05分 更新)

ほぼ更地化した梅田貨物駅跡。手前は大阪駅。左奥に梅田貨物線を行く関空特急「はるか」が走る(2014年10月27日、恵 知仁撮影)。

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JR大阪駅の北側に広がっていた梅田貨物駅がほぼ更地になり、「うめきた」2期地区の開発が新しい段階に入ります。また駅が廃止されてしまったこの場所ですが、将来的に再び鉄道の重要拠点になるかもしれません。

赤茶色から緑色へ

 大阪駅の北側に存在していた梅田貨物駅。その機能をJR京都線(東海道本線)沿いの吹田貨物ターミナル駅(大阪府吹田市)、大和路線(関西本線)沿いの百済貨物ターミナル駅(大阪市東住吉区)へ移転させることで、大阪駅北側の一等地に「うめきた」「梅田北ヤード」と呼ばれる広大な再開発地域が生まれました。

 2013年3月31日限りで廃止された梅田貨物駅は現在、ほぼ更地になっています(更地化工事完了は2014年度末の予定)。そして2014年10月14日に大阪市が「第4回うめきた2期区域まちづくり検討会」を開催するなど、その空間をどうするか検討が進められています。「うめきた」の開発は、2013年にオープンした約7ヘクタールの「グランフロント大阪」が「先行開発地域」で、それ以外の約17ヘクタールが「2期区域」という形です。

 この大阪駅北側に広がっている赤茶色の2期地区について、大阪市は緑地帯を多くし、「世界に比類なき「みどり」と「イノベーション」の融合拠点」を目標にするとしており、今秋から今冬にかけて「まちづくりの方針」がまとめられる見通しです。

「うめきた」に複数の新路線構想、廃駅跡地が鉄道の重要拠点に?

 梅田貨物駅跡を再開発する「うめきた」。この2期地区地下には北梅田駅(仮称)が設置される予定ですが、そこには様々な鉄道の構想があります。

 現在、JRの関空特急「はるか」や和歌山方面への特急列車は新大阪駅から梅田貨物線を経由し、大阪駅を通らないで大阪環状線に入っています。またこの貨物線は、福島駅付近でなにわ筋と踏切で交差。渋滞の原因になっています。

 そこで梅田貨物線を「うめきた」経由で地下化し、合わせてその地下空間、大阪駅からほど近い場所へ北梅田駅を設置。「はるか」などを停車させることにより、梅田地区から関西空港、和歌山方面へのアクセスを向上させるという計画があります。この新ルートと新駅について、2014年1月に行われた毎日新聞の報道では2015年度の着工、2022年度末の開業が目指されており、北梅田~関空間は最速45分程度で結ばれるとしています。ちなみに現在、大阪~関空間はJRの「関空快速」でおよそ65分から70分前後です。

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