内閣府が11日発表した10月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、足元の景気実感を示す現状判断指数は前月比3.4ポイント低下の44.0だった。悪化は2カ月ぶり。好不調の分かれ目となる50を3カ月連続で下回った。内閣府は街角景気の基調判断について「このところ弱さがみられる」との表現を新たに加え、今年4月以来、下方修正した。
10月の基調判断は「このところ弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている」。前月の判断は「緩やかな回復基調が続いており、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減の影響も薄れつつある」としていた。内閣府は「家計の消費に慎重さがみられる」と指摘する。
現状判断では「消費税増税から半年になるが、消費を控えたり、より安い店を探す客が増え続けている」(中国・乗用車販売店)との見方や「この2~3カ月は消費税増税後の低迷から回復の兆しが見えてきたかと思われたが、足元では大きく後退している」(東海・百貨店)との声が聞かれた。
一方、2~3カ月後の景気を占う先行き判断指数は前月比2.1ポイント低下の46.6と、5カ月連続の悪化となった。円安に伴う輸入品の価格上昇や消費再増税への懸念などが背景にあり、「消費税率10%への引き上げに伴う心理的不安、生活必需品の価格の引き上げなどのため、買い控えが進行する」(東北・スーパー)などの見方のほか、企業経営でも「価格改定ができない一方、原材料価格の上昇はさらに加速しており、このままでは減益になる。価格改定ができなければより一層厳しい状況が続く」(中国・食料品製造業)などのコメントがあった。
内閣府は基調判断で、先行きについて「エネルギー価格の上昇などによる物価上昇への懸念などがみられる」と指摘している。
調査は景気に敏感な小売業など2050人が対象で、有効回答率は91.5%。3カ月前と比べた現状や2~3カ月後の予想を「良い」から「悪い」まで5段階で評価して指数化する。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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