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最終更新:2014年11月11日(火) 21時3分

御嶽山のライチョウ、噴火の影響でエサなく孤立か

 57人もの死者を出し、戦後最悪の火山災害となった御嶽山の噴火。実は今、ある希少動物に思わぬ被害を与えるおそれが出ています。それは、国の天然記念物「ライチョウ」。ライチョウは標高2500メートル以上の高山にしか生息していません。暑さが苦手で、夏と冬とでは羽の色ががらりと変わるのも特徴です。

 1980年代には国内で3000羽ほど確認されていましたが、現在はおよそ2000羽にまで減少、絶滅危惧種にされています。

 そもそも数が減ったのは、温暖化の影響に加え登山者が残すゴミが病原菌の発生源になったり、キツネやカラスに卵が食べられたりしたことが原因とされています。そして、40年以上ライチョウを研究している専門家は「御嶽山の噴火がこの減少傾向に拍車をかけるのではないか」と心配しています。

 「ライチョウが食べる物は高山植物。今回の噴火によって、高山植物がどれくらいダメージを受けているか気になる」(信州大学・中村浩志名誉教授)

 現在、御嶽山に生息するライチョウはおよそ70羽。火山灰によりエサとなる高山植物が枯れるおそれがあります。さらには、御嶽山に生息するライチョウならではの特徴があるといいます。

 「御嶽山にいる集団は完全に孤立。ライチョウは飛べるが、一番近くの乗鞍岳までは移動できない」(信州大学・中村浩志名誉教授)

 ライチョウの飛行距離はおよそ20キロメートル。そのため、別の生息地である隣の乗鞍岳までは移動できません。こうしたことから、御嶽山のライチョウは独特の進化を遂げてきたのです。

 「噴火の影響で急激に数が減ると、絶G$7$F$7$^$&4m81@-$,9b$/$J$k!W!J?.=#Bg3X!&CfB<9@;VL>M@65
 急激な環境の変化に弱く、入山を規制されている現状では守る手だてはないという御嶽山のライチョウ。中村教授は来週にも独自に調査を開始したいとしていて、長野県も今後、個体数調査を実施したい考えを示しています。(11日16:21)

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