Kakaoに配信しなくてもアプリが売れる時代突入、Clash Of Clansの事例から読み解く韓国市場攻略法
韓国は日本と米国に続き、世界で3番目にGoogle Playの売上が高い国です。さらに韓国はSamsungのホーム市場であり、韓国のスマートフォン市場の9割以上がAndroidOS端末となっているので、市場全体がAndroidに偏っています。そのため、韓国市場はAndroidデベロッパーにとって非常に魅力的な市場と言えます。
10月の韓国Google Play売上・無料・新着無料チャートのデータ分析をしました。
Kakaoの圧倒的な存在感は弱まった気配がある
韓国Google Play売上チャートにKakaoプラットフォームが圧倒的な存在感を見せています。現在の売上チャートトップ20の内、15本のアプリがKakaoプラットフォームのアプリですが、一年前と比較するとKakaoの存在感が次第に薄れてきていることがわかります。2013年10月と2014年10月の韓国Google Play売上チャートを分析すると、2013年10月には平均で87.9%のアプリがKakaoプラットフォームのアプリであったこと対して、2014年10月では74.4%であるため、前年と比べ13.5%下がったということになります。
Kakao無しで韓国で成功しているClash of Clans
一部、Kakaoプラットフォームに配信されていないタイトルでも韓国で成功しているアプリが存在しています。「Clash of Clans」(Supercell)は韓国でリリースした当時(2013年10月)、売上チャートトップ20の内の9割近くのアプリがKakaoプラットフォームに配信している状況に対抗して、Kakaoプラットフォームにはあえて配信せず、独自で韓国市場を攻めることにしました。その決断が功を奏して、「Clash of Clans」は現在、韓国Google Play売上チャートで直近3週間にわたり首位を占め続けることに成功し、韓国でも大人気のアプリとなりました。
また、Kingがリリースする「Candy Crush Saga」も海外アプリとして韓国市場で成功していると言えます。上記で述べたSupercellの「Clash Of Clans」とは異なり、Kingは「Candy Crush Saga」をKakaoプラットフォームに配信しましたが、このアプリは2013年9月にリリースされて以降、韓国Google Play売上チャートで継続的にトップ20にランクインすることができています。
「Clash Of Clans」が韓国市場で成功している大きな理由のひとつは、今年6月から開始された大規模のプロモーションによるものと考えられます。オンライン以外の宣伝にもかなり力を入れ、ゴールデンタイムのCM、地下鉄やバスの車内・ホームの広告(韓国デベロッパーのアプリだと比較的に一般的な宣伝方法)など様々な方法でユーザーの目に届けようとしています。
ここで韓国市場の二つの動きが見えます。
・Kakaoプラットフォームに配信されていないアプリの中で、このような成功事例を目にする機会は最近少ないですが、この「Clash Of Clans」の事例が意味することは、韓国市場に対して相応しいプロモーションをカスタマイズすることができればKakaoプラットフォームで配信しなくてもチャート上位まで到達できるということです。
・韓国Google Play/App Storeの売上チャート圏内のアプリのほとんどが、韓国国内のデベロッパーによってリリースされたアプリでしたが、最近は、海外デベロッパーによってリリースされた売上チャート圏内のアプリが増加しているので、韓国デベロッパーの間では緊張感が走っている様子がうかがえます。
gumiとCOLOPLは韓国で上昇中
上記で述べたアプリの他に10月のホットなアプリを見つけるために、売上チャートと無料チャートのランキング上昇率Top 10を出してみました。その結果、日本発のホットなアプリを2つ発見しました。
「ブレイブフロンティア」(gumi)
韓国版が今年9月末にKakaoプラットフォームでリリース(配信)されました。
「白猫プロジェクト」(COLOPL)
10月中旬にリリースされたばかりの韓国版が、10月末に韓国Google Play無料チャートでトップ5入りを記録しました。
韓国ではRPGが一番売れるカテゴリー
韓国Google Playの売上チャートトップ100で「ロールプレイング」(RPG)のシェアが32.6%でトップでした。次に売上の多いカテゴリーは「カジュアル」「スポーツ」「ストラテジー」と「パズル」でした。
韓国Google Play無料チャートでは「買い物」カテゴリーがトップで、シェア率が12.4%でした。無料チャートシェア率のランキングを売上チャートと比較すると、いくつかの傾向が分かります。
「スポーツ」カテゴリーのように売上チャートの順位が3位と高く、無料チャートの順位が24位と低いアプリは、「数少ないユーザーがたくさん課金している」ことが分かります。
一方で、「買い物」カテゴリーのように無料チャートの順位が1位と高く、売上チャートトップ100にランクインしていないカテゴリーとしては、「ユーザー数が多いけれど、あまり課金していない」ことを意味します。
新着無料チャートに関してはRPGカテゴリーがトップで、シェア率が15.4%でした。再び売上チャートと比較してみました。
「スポーツ」カテゴリーのように売上チャートの順位が3位と高く、新着無料チャートの順位が12位と低いアプリは、「カテゴリー全体でかなり課金していますが、新規リリースが比較的に少ない」ことを意味します。
一方で、「エンタテイメント」カテゴリーのように新着無料チャートの順位が5位と高く、売上チャートトップ100にランクインしていないカテゴリーは、「リリースが多いけれど、あまり課金していない」ことを意味します。
Metapsではアプリストアや様々なデータを解析して、アプリのマネタイズをお手伝いしています。より詳細な情報をご希望の場合は11/20から開催されるG-Starの自社ブース(B2Bエリア/ブース#M27)にいらっしゃるか、お問い合わせフォームにてご連絡ください。