GINZA CONNECTIVE VOL.8 山口 さゆり×高嶋 ちさ子

GINZA CONNECTIVE VOL.8 山口 さゆり×高嶋 ちさ子

ヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんと、銀座人たちの対談シリーズ。高嶋さんにとって銀座は、仕事でもプライベートでも思い入れのある街。そんな高嶋さんがゲストの方に、銀座のあれこれをディープに聞いていただきます。今回のゲストは、老舗高級クラブ「グレ」のママ、山口さゆりさんです。

先代のママはフィリピンに学校を作るボランティアをやっています。

山口さゆりさん写真
高嶋ちさ子さん写真
高嶋さん
お店はどのくらいになるんですか?
山口さん
今年の3月に36周年を迎えました。私がここを引き継いでからは5年目になりますね。
高嶋さん
前のママから白羽の矢が立ったときは、どんなお気持ちだったんですか?
山口さん
お店を譲るといっても、実際はなかなか譲らないママが多いんですよ(笑)。だから、そんな感じなのかなと思っていたんですけど、先代のママはさっさと引退してしまって(笑)。「第2の人生を生きるわ」って、あっさり(笑)。
高嶋さん
ちなみに、先代のママは、今は何をされているんですか?
山口さん
フィリピンに学校を作るボランティアをやっています。
高嶋さん
ええ?嘘でしょ?
山口さん
本当なんですよ~(笑)。これまで、ファーストクラスとハイヤーとグリーン車しか乗ったことがないような人でしたから、お客様にも無理だろうって言われていたんですけどね。今は、2万9800円の格安チケットでフィリピンに行っているんですよ。

「君を認めるよ」って言って下さって。あのときは本当に嬉しかったですね。

高嶋さん
かっこいいですね~。では実際、こちらでママとなってみていかがでしたか?
山口さん
27歳のときにここに入って、3年間雇われママとして働きました。引き継ぐといっても、光安久美子ママの大ファンのお客様ばかりでしたから、なかなか認めて下さらない方ももちろん何人かいらっしゃったんです。だけど3年目にしてやっと、〝石の上にも3年〟ってことわざじゃないですけど、「君を認めるよ」って言って下さって。あのときは本当に嬉しかったですね。
高嶋さん
これだけの有名店で老舗ですから、かなりの重圧もあったわけなんですね。
山口さん
ええ。でも、お客様は優しい人ばかりなんですよ。先代のママが自由奔放な方だったので、私は普通に出勤時間を守るだけで誉められるんです(笑)。
クラブ グレ 店内

『フロムA』などで人材募集をかけることも。

山口さゆりさん写真
高嶋さん
ちなみに、ママの1日というのは、どんなスケジュールなんですか?
山口さん
起床は10時くらいですね。で、事務所から連絡事項のファックスが送られてくるのでチェックして。お店の女の子たちの成績表なんかも送られてくるんですよ。
高嶋さん
へえ~、そんなこともやるんですね。
山口さん
ええ。それを大体1時間くらいやって、ヨガに行きます。夕方には美容室に入ってセットして、お客様と同伴でレストランに伺ったりして、20時半にお店に出勤するという感じでしょうか。
高嶋さん
毎日美味しいお店に行けるなんて素敵ですね。私もやりたいくらいです(笑)。お休みはあるんですか?
山口さん
土日は完全休業です。とはいっても、歌舞伎役者や演劇関係のお客様も多いので、お休みの日は観劇に出かけていますね。
高嶋さん
お店のホステスさんたちはどんなタイプの人がいるんですか?
山口さん
語学が堪能な子、スタイルがいい子、会話が上手な子、可愛らしいタイプ、美人系など、お客様の好みに合わせて、個性のある人を採用しています。うちは先代のときから個性重視。もう10年以上働いてくれている人もいますよ。
高嶋さん
どうやって見つけてくるんですか?
山口さん
大体が縁故採用ですね。現在、スカウトは法令でNGになったので、『フロムA』などで募集をかけることもあります。
高嶋さん
ほんとですか!?(笑)
山口さん
でも、年齢のことや容姿については募集広告には書けないんです。そしたら、スタッフのお母さんくらいの方が来たこともあって……。ちょっと困りましたね(笑)。
高嶋さん
それは困りますよね。でも、面白すぎます(笑)。
店内の壁一面に貼られた千社札

林真理子さんや川島なお美さんら著名人が1日ママに。

高嶋ちさ子さん写真
高嶋さん
去年は、東日本大震災復興イベントとして、各界で活躍されている女性を〝1日ママ〟に迎えるチャリティイベントをされたそうですね。
山口さん
ええ。私も何かできることはないかなと思っていたら、作家の林真理子先生からご提案いただいて、このようなイベントをすることになったんです。入り口で2万円徴収するシステムにしたんですが、みなさんのおかげで、20日間で約1600万円もの収益金が集まりました。お金は、被災地で活動されている6つのボランティア団体に寄付させていただきました。
高嶋さん
すごいですね。どんな方がママをされたんですか?
山口さん
林真理子先生や経済評論家の勝間和代さん、女優の川島なお美さんなど、本当に多くの著名な方が名乗りをあげて下さって、毎日大盛況でしたね。お客様も大変喜んでいらっしゃいましたよ。

並木通りにあるポストは、赤ではなくて緑なんです。

山口さゆりさん写真
高嶋さん
長年銀座を見続けてきたさゆりママから見て、ほかの街にはない銀座の魅力はどんなところでしょうか?
山口さん
私も最近まで知らなかったんですが、並木通りにあるポストは、赤ではなくて緑なんですよ。日本でも、緑色のポストがある所なんて、銀座くらいではないでしょうか。それが並木通りの美しい街並みにとてもよく調和しているんです。そのように、街の景観を損なわないために細かな気配りをしているのが、銀座の魅力だと思います。
高嶋さん
そうなんですね!? 私も知りませんでした。今後、銀座でやっていきたいことなどはありますか?
山口さん
銀座には、GSKという銀座社交料飲協会(銀座のバーやクラブが属している協会)があるんですが、街の防犯が守られているのも、景観が美しく保たれているのも、こちらの協会のおかげなんです。私もGSKで何かお役に立てたらいいですね。

次回のゲストは……?

高嶋さん
次回のゲストをご紹介いただけますか?
山口さん
銀座の老舗レストラン「三笠会館」の代表取締役社長 谷善樹さんです。フランス料理店やイタリア料理店などいろいろなお店を経営されていて、全てが美味しい。その秘密を探ってみてください。
高嶋ちさ子さん・遠藤彬さん写真

高嶋 ちさ子

ヴァイオリニスト。6歳からヴァイオリンを始め、海外で活躍後、日本に本拠地を移し、全国各地でコンサートを行っている。現在は、演奏活動を中心としながらも、テレビやラジオ番組の出演などでそのキャラクターが評価され、活動の場はさらに広がりを見せている。

高嶋ちさ子オフィシャルウェブサイト

山口 さゆり

銀座の高級クラブ『グレ』のママ。友人がスカウトされたのをきっかけに、19歳のときから銀座のクラブで働き始める。入店してまもなくナンバーワンになったという、生まれながらの才を持つ。

取材・文:岡井美絹子  取材場所:クラブ グレ

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