小泉純一郎元首相は郵政解散を前にギョーザを味わい、連立政権をつないだ細川護熙元首相はそばに舌鼓を打った――。150万都市のリーダーを決める福岡市長選(16日投開票)の候補者6人は、「勝負メシ」に何を選ぶのか。朝日新聞がアンケートをしたところ、「ガッツリ系」と「あっさり系」にわかれた。

 焼き肉、ギョーザ、カレーという「ガッツリ系」は3人。

 新顔でNPO法人共同代表の大川知之氏は、候補者の中でもっとも若い37歳。「勝負メシ」としてカレーチェーン最大手の「ほうれん草カレー」を選んだ。もともとホウレンソウが好きとのことで、「食べると自分のリズムができて、活力の源」と言い切る。

 現職の高島宗一郎氏(40)は気合を入れる時、焼き肉屋の個室でハラミを食べる。「炊きたての白飯にバウンドさせて食べるのが、うまい」と話す。仕事が好調で、体調も良い時に食べたくなるという。告示前夜は、懇意の麻生太郎副総理と中華料理を囲んだ。

 ギョーザを好むのは、前自民市議の新顔、北嶋雄二郎氏(65)。告示前日の夕食は、次女手作りのギョーザをほおばったという。次女は「元気が出るようにと、ニンニクを多めに入れました」。家族で遅い食卓を囲み、選挙に向けて気合を入れた。

 候補者の半数は、「あっさり系」の食事を選んだ。

 前職の吉田宏氏(58)は、夕食で日本酒をたしなむことが多いという。食卓には、妻の智子さんが作るおばんざいがいくつも並ぶ。告示前夜は、友人が差し入れた南蛮漬けや肉じゃがも含め、7~8品。智子さんは「友達の優しい心が吉田の胃袋を満たした」。

 男女3人の子どもを育てた元幼稚園教諭の新顔、嶽村久美子氏(64)は「勝負メシ」は「特にない」としつつ、好きな食事は豚汁と答えた。告示前夜の献立は、カラスカレイの煮付けにみそ汁、ご飯、サラダ。バランスのいい食事を食べて選挙に備えた。

 健康体操を30年以上指導してきた前民主市議の新顔、金出公子氏(67)は縁起物のぼた餅を好む。理由は「太陽、月、地球のように丸いから」。ただ、告示日前は選挙準備などで多忙だったため、「夕食は何か覚えていない。普通の簡単な食事だった」と答えた。

 政治家と「食」は、関心の高いテーマだ。「総理メシ 政治が動くとき、リーダーは何を食べてきたか」(朝日新聞政治部取材班。講談社発行)では、小渕恵三元首相が沖縄サミットを決めた直後に焼き肉を食べたり、大平正芳元首相が権力抗争の最中に家族とすき焼きを囲んだりする逸話が紹介されている。福岡市長選を勝ち抜いた候補者は、どんな「メシ」を味わうのか。(磯部佳孝、渡辺純子)

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 田中角栄氏から安倍晋三氏まで歴代14人の首相が愛した食事や政治決断の裏話をつづった「総理メシ 政治が動くとき、リーダーは何を食べてきたか」(講談社)が発売中だ。朝日新聞で2013年4月から14年1月まで連載した企画をまとめたもので、新たに安倍晋三首相の「総理メシ」も書き下ろしている。税抜き1300円。