障害者差別:解消へ政府基本方針案 内閣府委が了承
毎日新聞 2014年11月10日 21時47分
障害の有無にかかわらない共生社会の実現を目指す障害者差別解消法(2016年4月施行)に基づき、国が定める政府の基本方針案が10日、内閣府の障害者政策委員会(委員長・石川准静岡県立大教授)で大筋で了承された。法が禁じる障害者差別の内容やどう対応するかなどについて考え方を示した。
それによると、「不当な差別的取り扱い」について、有価物やサービスの提供を巡り▽正当な理由なく拒否や制限すること▽障害のない人につけない条件をつける−−などと説明した。「正当な理由」については、障害のない人と違う扱いをすることが客観的にみて正当な目的に照らしてやむを得ない場合としている。
また、過重な負担にならない限り公共機関に義務付け、民間には努力義務を課す「合理的配慮」についての捉え方を提示。障害者の権利や利益を侵害する要因は、障害そのものではなく社会とのやりとりの中で生じるとの見方を示した上で▽段差をなくす▽筆談や読み上げ、分かりやすい表現を使う−−などの配慮が状況に応じて柔軟に図られるべきだとした。
相談・紛争防止体制については、地域ごとに関係機関で設置できる「障害者差別解消支援地域協議会」で適切な窓口につなぎ調停などに取り組む。また「複合差別」を受けやすい障害女性や、大人とは別の対応が必要な障害児への支援には特に注意すべきだとした。
政府は基本方針案のパブリックコメントを公募後、年内の閣議決定を目指す。【野倉恵】
◇障害者差別解消法
公共機関(公立学校、福祉施設含む)と民間事業者に対し、障害を理由とした「不当な差別的取り扱い」を禁じ、過重負担にならない限りは施設のバリアフリー化を進めるなどの「合理的配慮」を求めている。国連障害者権利条約批准のための国内法整備の一環として、改正障害者基本法で障害者への差別禁止が定められたことを受け、2013年6月制定された。権利条約は14年1月批准された。