「金城」は、なぜ〈キンジョウ〉と読むのか。実はそこにヒミツが隠されていた。
キンジョウ、カネシロ、カナグシク、沖縄の苗字が独特な読み方をするのはどうしてだろう。「改姓改名運動」で変更された歴史を持つ沖縄の苗字は、沖縄戦など歴史の渦の中で翻弄されて、数奇な運命をたどってきた。日本と沖縄の狭間で揺れ動く沖縄人の苗字への複雑な思いを探るユニークな沖縄近代史。 [ボーダー新書007]
●目次
はじめに第一章 苗字の歴史
第一節 日本の苗字の歴史/第二節 沖縄の苗字の歴史
第二章 沖縄苗字の足跡
第一節 近代の苗字/第二節 ミヤグスクVSミヤギ/第三節 「読み替え」をめぐる社会と人々
第三章 苗字改造計画案
第一節 北大東島からの提案/第二節 復姓のお作法/第三節 沖縄学の苗字へのアプローチ
第四章 さまよえる沖縄苗字
第一節 どうなる沖縄の苗字/第二節 沖縄の苗字をめぐる知識人/第三節 「読み難い姓名改姓座談会」/第四節 苗字の変更 二つの選択
第五章 「鉄の暴風」が沖縄苗字に残したもの
第一節 戸籍からの解放、その代償/第二節 「キンジョウ」大発生
エピローグ 「読み替え」の置き土産
●著者プロフィール
武智方寛(タケチミチヒロ)
1972年香川県高松市生まれ。沖縄国際大学大学院地域文化研究科(民俗文化領域)修了。、金武町教育委員会町史編さん室嘱託員、宜野湾市育委員会嘱託員として勤務。法政大学沖縄文化研究所国内研究員。
●2011年2月発行